地政学リスクとECBイベントと株式市場

Summary

今週の円相場は、引き続き株式動向に左右される展開となろう。1日の海外株式は総じて堅調に推移。日米欧の株式ボラティリティは低水準での推移となっている(チャート①参照)。株高維持ならばクロス円は堅調に推移しよう。ドル円は米ドル安 vs 円安の綱引きを背景にレンジでの攻防を想定したい。株安要因として注視すべきは北東アジアの地政学リスクとなろう。

一方、注視すべき経済イベントは7日のECB理事会となろう。金融緩和政策の変更にかんするシグナルの有無が欧州株式市場とユーロ相場の変動要因となろう。

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Analyst's view

8月の米雇用統計は総じて市場予想以下の内容となった。一方、同月ISM製造業景況指数は58.8と市場予想(56.5)を上回る内容となった。強弱まちまちの指標データとなるも、1日の米国株式は主要3市場がそろって上昇した。冴えない雇用統計はイエレンFRBによる利上げペースの鈍化期待を高め、良好なISM製造業景況指数には素直に反応するという、まさに良いとこ取りの状況となっている米株は、今後も株高トレンドを維持する可能性が高い。唯一の懸念(=株安)材料は、北東アジアの地政学リスクだろう。北朝鮮は3日、6回目の核実験を実施した。トランプ政権は、越えてはならない一線「レッドライン」を越える場合、軍事行動も辞さない構えを見せている。今回の核実験によりそのラインを越えたか否か、この点の判断はトランプ政権の出方次第で判明しよう。米朝間の緊張がさらに高まれば、米株をはじめとした株式市場には再び株安圧力が強まろう。その過程で外為市場では円買い圧力が強まろう。逆に中露を意識し対話による解決を目指すならば、今回の地政学リスクも一過性で終わろう。

 

7日のECB理事会も株式市場のトレンドを大きく左右する可能性がある。現行の金融緩和政策の変更(=テーパリング)についてどこまで踏み込んだ議論がなされるか、この点が注目されるが、テーパリング開始は12月にずれ込むとの観測報道がすでに出ている。市場の予想が割れる中、ドラギ総裁が政策変更の具体策(開始時期 / 規模 / ペース)について言及するならば、市場はユーロ高で反応しよう。一方、欧州株式市場は、金利の上昇と緩和マネー流入期待の後退を背景に株安の展開が想定される。北東アジアの地政学リスクがくすぶる中、欧州株までが不安定化すれば、米株にも調整圧力が強まろう。外為市場では円高圧力が強まろう。
ドル円は108.00-111.00のコアレンジを想定し、株高維持ならば上限のトライとなろう。逆に上述した株安要因が意識されれば108円トライとなろう。米朝間の緊迫度合によっては、一時的な108.00ブレイクの可能性も警戒しておきたい。一方、ユーロドルは1.18-1.20をコアレンジと想定。イベント前にユーロ高の調整圧力がさらに強まる場合、1.17台へ下落する局面が散見されよう。だが、1.17を下方ブレイクするならばECB理事会後の可能性が高いだろう。上限の1.2の上方ブレイクもECB理事会後と想定している。


【チャート①:日米欧の株式ボラティリティ】

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【チャート②:ドル円チャート】

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【チャート③:ユーロドルチャート】

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