FOMC議事録で9月利上げの可能性を探る

アナリストの視点-対照的な米2年債と10年債の利回り

米連邦準備理事会(FRB)

18日の海外外為市場では、良好な英インフレ指標データを受けポンドが急進した。対ドルでは7月以降レジスタンスとして意識されていた1.57レベルを一時突破(高値1.5717)。対円では193円後半から195.30手前までポンド高が進行した。EUR/GBPでもポンド高となった影響を受け、EUR/USDは節目の1.10を視野に軟調地合いが継続した。

一方、ドル相場は、良好な米住宅着工件数(7月)や米金利の上昇を背景にドル買いが散見されるも、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月28-29日開催分)の公表を控え上値は限定的。USD/JPYは124円前半で膠着状態が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

米金融政策の方向性を反映しやすい2年債利回りは070%台の水準を維持しており、イエレンFRBによる早期利上げ期待が根強いことを示している。だが、原油価格の急落に伴うインフレ期待の後退を受け、10年債利回りには低下圧力が強まっている。今後もこの状況が継続するならば、米国株式市場のレジスト要因(=原油価格の低迷によるエネルギー及び関連株式の売り要因)及び利上げ期待の後退要因となり、結果として2年債利回りの上昇圧力を相殺することになろう。外部環境の急速な好転に期待できない以上、2年債利回りが昨年12月よりレジストされている0.76%台の水準を突破し、それを背景に外為市場でドル高圧力がさらに強まるためには、目先イエレンFRBが9月利上げのスタンスを明確に示す必要があろう。ただ、本日のFOMC議事録や今後の指標データで9月利上げが確実視された場合(=イエレンFRBが9月利上げシグナルを発信してきた場合)、マーケットの焦点はすぐに次のテーマである利上げペースへとシフトしよう。また、利上げ懸念を背景に米国株式市場で再び調整色が強まる可能性も考えるならば、これまで指摘してきたドル高トレンド形成のための2つの条件(①米国株式市場における利上げへの耐性強化、②利上げペース加速への期待)をクリアできない限り、9月利上げ期待を背景としたドル高は一過性の現象となる可能性があろう。

本日の焦点-FOMC議事録と米国株式の反応

本日、最大の焦点は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月28-29日開催分)となろう。イエレンFRBの見立て通り、労働市場に関しては完全雇用に向け着実な回復基調を辿っている。

よって問題は、現在の低インフレ状況についてどのような認識を持っているか、だろう。9月をメインシナリオと考えているならば、イエレンFRBは直近の原油価格の低迷とそれに伴うインフレの低下圧力は一過性の現象であると認識していることになり、今回の議事録で次回会合での利上げを匂わす記述が記載されている可能性があろう。この場合、米金利には上昇圧力が強まり外為市場ではドル買いの展開となろう。ただ、それが継続するかどうかは、米国株式の動向次第だろう。利上げ懸念を背景に米国株式の下落幅が拡大すれば、米金利の上昇圧力が後退することでドル相場の上値が限定的となる可能性がある。

逆に、今回の議事録がハト派寄りと受け止められれば、直近のドル高を調整する動きが対主要国通貨で加速しよう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.22:ボリンジャー上限(緑ライン) 124.54:一目/転換線(黄ライン)
サポート 124.10:短期サポートライン 123.78:8/12安値

一目/転換線(黄ライン)と21日MA(青ライン)に挟まれこう着状態は継続中。目先はどちらのテクニカルを突破するかが焦点だが、21日MAを下方ブレイクした場合は、短期サポートラインのブレイクにも警戒したい。逆に転換線を上方ブレイクした場合は、125.00を視野にドル高/円安が加速しよう。
尚、直近のオーダー状況だが125.00レベルではオファーが観測されている。一方、ビッドは124.00、123.65そして123.50にそれぞれ観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1100:レジスタンスポイント 1.1051:10日MA(赤ライン)
サポート 1.1010:21日MA(青ライン) 1.0988:リトレースメント61.80%

10日MA(赤ライン)及び8月高安の50.00%を下方ブレイク。次の焦点は21日MA(=ボリンジャー中心線)の維持となろう。
ただ、RSIが売り買い分水嶺の50.00を下回ってきた点を考えるならば、21日MAブレイクを警戒したい。その場合、1.09台の攻防へとシフトする展開を想定したい。一方、21日MAで反発した場合は、1.11台の再上昇が焦点となろう。ただ、目先の上値余地はボリンジャー上限までと想定したい。
尚、直近のオーダー状況だが1.10及び1.0950にはビッドが観測されている。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。