FOMC議事録「タカ派サプライズ」無し

Market Overview-2つのリスク要因が後退

米連邦準備制度理事会(FRB )は9日、連邦公開市場委員会(FOMC、3月18-19日開催)の議事録を公表した。その中で数人のメンバーは、FOMC予測が利上げペースを過剰に示すと指摘していたことが判明。また、イエレン議長が会見で述べた量的緩和(QE3)終了から6ヵ月後の利上げに関する具体的な言及もなかった。一部では「タカ派サプライズ」への警戒もあったが、先月のイエレン会見後に強まった早期利上げを再び強める内容ではなかったと言える。

4日の米雇用統計に続き、今回のFOMC議事録の内容も現在のグローバル金融市場にとってポジティブな内容だったと言えるだろう。直近の懸念材料は米金利の変動リスクと新興国リスクだが、雇用統計とFOMC議事録を受けた米早期利上げ懸念の後退はこれら2つのリスクを後退させるからだ。実際、昨日の米国株式市場はFOMC議事録を好感し急伸。リスク選好の先導役である米国株式が再び騰勢を強めれば、外為市場ではクロス円を中心に円安トレンドへと回帰しよう。一方、直近の新興国株式は上下に振れる展開は見られるが、米早期利上げ懸念が後退したことで総じて堅調に推移し続けている。また資源国や新興国通貨も底堅い展開となっている。

対照的に、今後のドル相場にとってはネガティブ要因となろう。実際、ユーロドルは日足の一目/基準線を突破し、1.39台へ向け再び上昇圧力が強まっている。また、ドルインデックスは80.00の水準を下回り重要サポートポイント79.00を視野に下落トレンドを辿っている。

 

Today’s Outlook -リスク選好回帰ムード強まるか

アジア時間の焦点は2つ。ひとつは株式動向だろう。米国株式に底打ち感が強まっていることで、本日の日経平均も反発する可能性があろう。日経平均も含めたアジア株式が総じて堅調に推移すれば、外為市場ではリスク選好を背景に円売り優勢の展開となろう。もうひとつは中国の貿易収支(3月)と豪雇用統計(3月)に注目したい。総じて市場予想を上回るならば、リスク選好回帰ムードを強め、豪ドル相場の支援要因となろう。逆に冴えない内容が続けば、豪ドルの売り要因となろう。

欧州タイム以降は、米国の経済指標に注目したい。木曜日恒例の新規失業保険申請件数が雇用情勢の改善を示す内容となれば、リスク選好の土台である米国経済の回復をマーケットに意識させよう。米株続伸となれば、円相場ではクロス円を中心に円売り圧力が強まろう。

一方、ドル円の上昇幅は限られる可能性がある。リスク選好回帰を背景とした株高となれば、ドル円のサポート要因となるだろう。しかし、早期利上げ観測の後退を背景にドル売り圧力も強まり易い環境となっており、結果的に株高による円売り圧力を相殺することになるからだ。株高がどの程度米金利上昇を促すか、この点が海外時間におけるドル円の焦点となろう。

 

Today’s Chart Point

レジスタンス 102.67:一目/基準線(日足) 102.20:レジスタンスポイント
サポート 101.50:サポートポイント 101.20:一目/基準線(週足)

ドル円は日足のサポートラインを維持。しかし、戻りも弱い。目先は、昨日高値102.20レベルの突破だろう。テクニカル面では102.65前後の一目/基準線(赤ライン)がレジスタンスとして意識されるかが焦点となろう。下値の焦点は、101.50レベルで推移しているサポートラインの維持だろう。このラインを下方ブレイクした場合は、101.20前後で推移している週足の一目/基準線が次のターゲットとして浮上しよう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3900:レジスタンスポイント 1.3876:3月24日高値
サポート 1.3820:一目/基準線 1.3800:サポートポイント

日足の一目/基準線を一気に突破。本日はこの線がサポートとして意識されるかが注目される。一方、上値の焦点は3月24日高値1.3876レベルの突破だろう。このレジスタンスポイントを突破すれば、3月19日以来となる1.39台到達を視野に入れる展開となろう。

 

Today’s Chart

ドル円チャート
ユーロドルチャート

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • リスクの種類

    すべての金融投資は一定のリスクを伴います。直面するリスクを計算し、理にかなった方法でエクスポージャーを管理することで、どのようにポートフォリオを守れるか学んでいきます。

  • 一般的なチャート

    アナリストがどのようにチャートを使っているのかを学び、投資家の行動を勉強し市場パターンを理解しましょう。利用可能な様々なチャートの使い方を学習し、チャートが示す価格パターンを確認します。

  • 取引の前に

    金融取引において心理状態は重要な要素であり、どのように取引を理解し反応するかが成功に大きな影響を与えます。ここでは、取引での心理状態についていくつかの要素を紹介し、気を付けるべき一般的な過ちを確認していきます。