FED予測に注目

Market Overview

13日の海外外為市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に売り買いが交錯する展開となった。欧州時間の円相場は、株高 / 原油高を背景に円安優勢の局面が見られた。しかし、NY時間は一転円買い優勢の展開に。ドル円は115円前半を中心としたレンジ相場が継続した。一方、ユーロドルも売り買いが交錯。FOMCを前にした米ドルロングの調整が散見され、1.06ミドルを突破する局面が見られたが、米独金利差の拡大傾向が続いていることから1.0667レベルで敢え無く反落。一方、株高 / 原油高を背景に資源国通貨ではカナダドル、ロシアルーブルそしてブラジルレアルが対ドルで堅調推移となった。

他の市場動向だが、欧米株式市場は堅調に推移。新興国株式も同様の展開となった。NY原油先物相場(1月限)は続伸。国際エネルギー機関(IEA)による最新予測で、来年上半期に供給不足に陥る可能性あるとの見通しを示したことが好感された。米債券市場では、「株高/原油高」とFOMCに挟まれ方向感の無い展開となった。

bg_federal_reserve_827681

Analyst's view

米国株式の騰勢は止まらずダウ平均は7日続伸。連日過去最高値を更新する状況が続いている。注目すべきは、急騰する米金利との共存関係だが、米国株式の動向を反映するS&P500と米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは、米大統領選挙以降、順相関の関係を維持している(比較チャート①参照)。それ故、米株高と米ドル高という関係も構築されている(比較チャート②参照)。市場関係者の中には、これ以上米ドル高が進行した場合、為替政策に敏感なトランプ次期大統領はじめ米国サイドからけん制発言が飛んでくるとの指摘が出ている。しかし、筆者の見立ては少し違う。米ドル高は確かに米経済にとってネガティブな要素を含んではいる。だが、現在は株高とセットで米ドル高が進行している。この事実は、米国内への資本流入が加速していることの証左であり、トランプ次期政権の目的と一致する。よって、この関係が崩れない限り、現在の米ドル高は未だ許容の範囲内として米国サイドでは受け止められよう。

目先の焦点がFOMCであることは言うまでもない。リスクシナリオとして警戒すべきは、利上げペースの加速だろう。9月時点の予測では来年2回の利上げが想定されている。政権移行期である点を考えるならば、この予測は維持される公算が高い。しかし、予想外に経済とインフレ見通しを上方修正し、ドットチャートで3回以上の利上げの可能性が示唆された場合、「金利上昇のネガティブインパクト>企業の期待成長率への重く」が一時的に意識されることで、筆者が想定している米債券市場での調整よりも先に米株での調整圧力が強まる可能性が出てくる。このシナリオの場合、外為市場では「米株調整→米金利低下→ドル安→円高」というシナリオとなる可能性が出てくる。ただ、トランプ次期政権への期待という土台が崩れない限り、やはり調整の円高の範囲内での動きとなろう。直近の原油高も考えるならば、ドル円が110円台を割り込む可能性はやはり低い。


【比較チャート①:S&P500と米10年債利回り】

chart1-1214


【比較チャート②:S&P500とドルインデックス】

chart2-1214

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 「売り」取引の方法

    売りポジションの保有から取引をスタートする事により下落市場で利益を得たり、既に保有している金融資産のリスクヘッジを行うことができます。このセクションでは「売り」取引の仕組みについて学びます。

  • 取引の前に

    金融取引において心理状態は重要な要素であり、どのように取引を理解し反応するかが成功に大きな影響を与えます。ここでは、取引での心理状態についていくつかの要素を紹介し、気を付けるべき一般的な過ちを確認していきます。

  • 株価指数の基礎知識

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。