ECBの緩和強化 未だ消化し切れず

Market Overview

17日の外為市場は、ポンド買い優勢の展開となった。この日発表された英消費者物価コア指数(10月)が前月比で+0.3%と市場予想(同+0.1%)を上回ったことを受け、欧州中央銀行(ECB)による緩和強化で揺れるユーロに対してポンド買い圧力が強まった。EUR/GBPは8月6日以来となる節目の0.70を下方ブレイク。12月の利上げ期待を背景に堅調に推移しているドルに対してもポンド買い優勢の展開となった。
一方、ユーロ相場は総じて軟調地合いに。ECBの緩和強化観測を背景に対主要国通貨全般で売り優勢の展開に。欧州株高にもかかわらず債券高となったこと、そしてEUR/JPYが下落した事実は、ECBによる12月緩和強化観測が未だ消化し切れていないことを示唆している。
資源国通貨はユーロ売りにサポートされ堅調に推移。対円では米株高もサポート要因となり、AUD/JPY及びCAD/JPYは堅調に推移。しかし、CRB指数の低下に歯止めの兆しが見えない状況(NY金12月限は一時1064.4ドルと中心限月として2010年2月10日以来、約5年9カ月ぶりの水準へ低下)を考えるならば、資源国通貨の反発余地(対ドル)は限られる公算が大きい。

比較チャート

Fundamentals Analysis Highlights

昨日の欧州市場は「株高・債券高(金利低下)」の展開となった。明らかにECBの緩和強化を意識した展開となっている。外為市場では上記の通りユーロ売り圧力が強まったが、欧州株高にもかかわらずEUR/JPYが下落した事実は、資金調達通貨としての妙味が円からユーロにシフトしていることを示唆している。この背景にあるのは、欧州金利(独金利)の低空飛行にあることは間違いない。事実、短期から中期ゾーンにおける日独の利回りスプレッドを確認すると、ECBによる12月の緩和強化観測を背景に10月下旬以降拡大傾向(日金利>独金利)にあることがわかる。

同じ緩和政策を導入している対円でさえユーロが下落する状況を考えるならば、イエレンFRBによる利上げ期待が高まっている米ドルに対し、さらにユーロ安が進行してもおかしくないだろう。実際、上の比較チャートを見ると、米独金利差拡大に伴いユーロドルの下落圧力が強まっていることがわかる。オシレーター系指標では、一度ユーロのショートカバーが入る可能性を示唆しているが、そのような展開となっても、欧州金利の持続的な反発がなければユーロ相場の上値余地(特に対ドル&ポンド)は限られよう。

Today’s Outlook

17日に発表された米CPI(10月)は市場予想の範囲内。米株が崩れるムードも感じられない点を考えるならば、USD/JPYの焦点は上値トライにあろう。目先の焦点は下記「Technical analysis highlights」で指摘しているレジスタンスポイントでの攻防だろう。

リスク回避要因はやはり商品市況だろう。NY原油先物は40ドル割れ目前まで迫っており、ドル高観測を背景にNY金は上記の通り。また、ベースメタルの価格低迷も考えるならば、資源関連株を中心に株安圧力が強まる可能性を常に意識しておきたい。リスク回避ムードが強まれば、資源国通貨は対円で利益確定売り優勢の展開となろう。対ドルでも下値を模索する展開となろう。

一方、EUR/USDは4月15日以来となる1.05台の攻防へシフトする可能性を意識しておきたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:厚いオファー 123.59:リトレースメント76.40%
サポート 122.92:10日MA(青ライン) 122.50:サポートライン

攻防分岐はリトレースメント76.40%で変わらず。123.60前後は厚いオファーが観測されているが、突破に成功した場合は、123.80上のストップを狙いにさらにドル高が加速する可能性があろう。ストップハンティングとなれば、124円トライが次の焦点として浮上しよう。
一方、下値は10日MA及びサポートラインの維持が焦点となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.0830:11/12高値 1.0739:10日MA(青ライン)
サポート 1.0600:ビッド 1.0520:4/13安値

1.0650を下方ブレイクしたことで、1.06割れの可能性が高まっている。RSIの動向を考えるならば、一度ショートカバーが入る可能性もあるが、10日MAレベルまでが反発余地と想定したい。
尚、直近のオーダー状況だが1.0630-00レベルには断続的にビッドが並んでいる。オファーは1.0700-25レベルに観測あり。

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