興味深いWTIの反落 円高圧力を警戒

Market Overview

8日の海外市場は、冴えない中国貿易統計(2月)が嫌気されリスク回避優勢の展開となった。原油価格(WTI)は中国経済への不透明感を背景にした需要後退観測と米国の週間石油在庫統計への警戒感から反落した。冴えない原油価格は欧米株式市場の圧迫要因となった。「原油安+株安」を受け外為市場では資源国通貨売り優勢の展開に。対照的に円相場は円高優勢の展開となった。ドル円(USD/JPY)は3月1日以来となる112.50割れの円高局面が見られた。クロス円も同様の展開となった。一方、ユーロ相場は売り買いが交錯する展開に。リスク回避圧力はユーロ買い圧力を強める要因となったものの、欧州中央銀行(ECB)理事会を控えているタイミングでは買いも限られた。ユーロドル(EUR/USD)は高値1.1058レベルを付けた後一転して売り圧力が強まり、節目の1.10割れの局面が見られた。ユーロクロスもロンドン勢が引けた後はユーロ売り圧力が強まる局面が見られた。

チャート

Analyst's view

原油価格(WTI)は、重要レジスタンスポイントである38ドルレベルとクロスしている標準誤差回帰分析バンドの上限で見事に反落(下図チャート参照)。冴えない中国の貿易統計(2月)が反落の主因とはいえ、テクニカルとファンダメンタルズの両面で反落の要因が同時に発生した点は興味深い。本日の米石油在庫統計(日本時間10日0時30分)の結果により再び供給過剰懸念が台頭すれば、ファンダメンタルズ面でさらにネガティブ要因が加わることになる。その場合、原油価格(WTI)はダブルボトムのネックラインである35ドルレベルを一気に下方ブレイクする展開が想定される。原油価格(WTI)が続落すれば、グローバル株式市場は軟調地合いとなろう。

外為市場では円高リスクを警戒したい。これまでは「原油価格反発→資源国通貨買い→ドル売り→クロス円での円安」という展開となっていた。USD/JPYはクロス円での円安がサポート要因となり円高圧力の相殺要因となっていた。しかし、原油価格(WTI)の続落と対円での資源国通貨売りによりその支えが揺らげば、円相場全体が円高一色の展開となろう。その場合、USD/JPYはビッドが観測されている112.00を下方ブレイクし、111円台の攻防へシフトする展開が想定される。

資源国通貨以外のクロス円では、EUR/JPYの動向にも注視したい。ECB理事会を直前に控えていることを考えるならば、4日以降、EUR/JPYのサポートラインとして意識され続けている日足の一目/転換線(123.83前後)を下方ブレイクし、122円台の攻防へシフトする可能性があるからだ。

【WTI日足チャート】標準誤差回帰分析バンド

原油チャート

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