米中経済イベント次第でUSD/JPYはサポートラインブレイクも

アナリストの視点 -悪天候説に疑問符

 

チャート

米商務省が14日発表した米小売売上高(3月)は前月比+0.9%(予想:同+1.1%)、コア指数は同+0.4%(予想:同+0.7%)と、総じて市場予想以下の結果となった。冴えない小売りの内容を受け米早期利上げ観測が後退し、米金利は各ゾーンで低下。外為市場ではドル売り優勢の展開となった。EUR/USDは7日にぶりに反発すると、目先のレジスタンスポイントであった5日MAを上方ブレイク。一方、USD/JPYはビッドが観測されていた119円ミドルレベルを下方ブレイクし、安値119.07まで下落する展開に。

資源国/新興国通貨は、強弱まちまちとなった米企業決算を受けて尚、米株が堅調さを維持してこと、そして原油価格が反発基調を継続したことを受け対ドルで堅調に推移した。一方、クロス円はドルストレートでのドル売りと米株高を背景に総じて円安優勢の展開となった。

米小売売上高の冴えない内容は、米景気回復の停滞は悪天候にあるという説に疑問符を投げかけた。今後発表される米指標データでも同様の内容が続けば、年内利上げ期待までが後退し3月中旬以降に見られたドルロング調整地合いが再来しよう。

そのような展開となった場合、円相場で注視すべきはクロス円の動向となろう。現在、クロス円の上値を抑えている要因は2つ。そのうちのひとつがドルストレートでのドル高圧力だが、米早期利上げ期待の後退によりその圧力が後退すれば、対照的にクロス円の上昇を圧力を強めよう。
もうひとつの要因は、不安定化している米株の動向だ。その不安定化の一因がドル高にあることを考えるならば(事実3月上旬以降ドル高懸念が意識されてから米株の上値は徐々に切り下がっている)、ドルロング調整地合いへ再シフトした場合、四半期決算後米株は再び上値トライとなる可能性がある。逆にUSD/JPYはクロス円にサポートされる局面へとシフトしよう。また、米早期利上げ観測の後退は「株高オンリーのリスク選好」復活を促すことから、資源国/新興国通貨も対ドルで堅調に推移しよう。シカゴIMM市場でユーロショートが積みがっているEUR/USDは重要レジスタンスポイント1.1050レベルの突破に成功すれば、2月上旬に上値が抑えられた1.15レベルまで反転する可能性が出てこよう。

 今日の焦点USD/JPYは短期サポートラインの攻防へ

昨日のNYタイムでUSD/JPYは大陰線が示現するも、1月16日安値115.85レベルを起点とした短期サポートラインはかろうじて維持した。サポート要因となったのはクロス円の上昇だったが、そのクロス円をサポートしたのが米株であった事実を考えるならば、本日も米株の動向が円相場のトレンドを左右しよう。

その米株のトレンドを見極める材料として注視すべきは、日本時間11時に発表される中国の各種指標データ(特に1-3月期GDP)と米経済イベント(指標データ&四半期決算)となろう。前者の中国GDPは市場予想以上(7.0%以上の成長率確保)ならば米株へのネガティブインパクトは限られよう。しかし、予想外に7.0%を割り込む内容となれば、米株とクロス円の下落を誘発することで、USD/JPYは短期サポートラインを下方ブレイクする可能性がたかまろう。また、豪ドル相場の変動要因としても注目しておきたい。

後者の米指標データでは、ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)と鉱工業生産(3月)に注目したい。昨日の小売売上高で個人消費の伸びが緩慢であることが確認された。本日の指標データで米企業活動の停滞までが確認されれば、年内利上げへの疑問符が付くことでドルロング調整地合いが継続しよう。問題は米株の動向だが、本日の米指標データが冴えない内容となっても米四半期決算(バンク・オブ・アメリカやネットフリックス)がそれをカバーすればその影響は限られよう。結果、クロス円へのネガティブインパクトも限られよう。一方、どちらも総じて冴えない内容となればリスク回避圧力が強まることで、「米株下落(=米金利低下)→クロス円下落→USD/JPY短期サポートライン下方ブレイク」という展開を想定したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.12:4/14高値 119.83:10日(緑ライン)/21日MA(赤ライン)
サポート 119.00:短期サポートライン 118.72:4/3安値

3日連続で陰線が示現。雲の攻防へと一気にシフトしたことで、短期サポートラインの維持が焦点として浮上してきた。このラインが推移している119.00レベルには厚いビッドが観測されており、テクニカル&オーダー状況の両面で本日の重要サポートポイントとなろう。下方ブレイクした場合は、4月3日安値118.72及び3月26日安値118.33レベルが次のサポートポイントとして浮上しよう。一方、上値は10日&21日MAが推移している119.85前後での攻防に注目したい。120.00にはオファーが観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.0800:21日MA 1.0758:一目/基準線
サポート 1.0500:節目のサポートライン 1.0463:3/13安値

5日MA(黄ライン)を突破するも1.07レベルで上値が抑えられ反落。ただ、RSIが未だ売り買い分水嶺の50.00を下回る水準で推移している点を考えるならば、上値余地は21日MAまでと想定し、このテクニカルポイントの突破に成功しない限り、常に1.05割れを警戒すべきだろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.0730、1.0750そして1.0800にはそれぞれオファーが観測されている。1.052、1.0500そして1.0450にはビッドがそれぞれ観測されている。また、これらビッドが観測されている水準の下にはストップが置かれているため要注意。

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