日銀の政策はイエレンFRBの動向次第

Market Overview

16日の海外外為市場はドル買い優勢の展開に。欧州株式は強弱まちまちとなったが、原油価格の反発を背景に米国株式が堅調に推移したことで米金利が反発。米金利の動向はドル相場をサポートし、対ユーロではNY引けで1.07をついに下方ブレイク(安値1.0674)する展開に。パリでの同時多発テロが及ぼす欧州経済への悪影響と欧州中央銀行(ECB)の緩和強化観測が意識され、ユーロクロス(EUR/JPY以外)も総じて軟調地合いとなった。一方、円相場はリスク選好を背景に円安優勢の展開に。USD/JPYは「米株高+米金利上昇」を背景に123円台へ再上昇した。

日銀

Fundamentals Analysis Highlights

16日に発表された日本の7-9月期実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.2%減、年率換算で0.8%減と2四半期連続のマイナスとなったが、今回の結果が日銀による年内緩和強化の可能性を高めるインパクトはないだろう。GDPの約6割を占める個人消費は4-6月期から改善されたことが確認され(前期比0.6減→同0.5%増)、10-12月期には所得環境の改善(冬のボーナス支給)を背景にさらに改善することが見込まれる。また、今回の押し下げ要因となった在庫も今後捌けることが予想される。現時点における民間エコノミストが算出した10-12月期の成長率予測は1.0%前後。日銀は引き続き強気のシナリオを維持すると思われる。

筆者は、日銀の緩和強化のタイミングを見極める上で一番重要な要素は国内動向ではなく海外動向、つまりイエレンFRBによる利上げのタイミングにあると考えている。世界的なデフレギャップ(特に懸念されるのは中国の需要縮小)が解消されないタイミングでの米利上げが、グローバル市場に与えるインパクトを見極める必要があるからだ。12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でイエレンFRBが動き、且つマーケットが不安定化すれば日銀は1月下旬の展望レポートの中間評価に合わせて緩和強化に踏み切る可能性があろう。イエレンFRBが年内利上げを見送る場合、来年3月のFOMCで動くだろう。その場合、日銀は4月もしくは6月の決定会合まで緩和強化を温存する構えを見せることが想定される。

Today’s Outlook

本日は指標データにらみの一日となろう。欧州タイムは、10月 の英消費者物価指数(CPI)及び11月の独ZEW景況感調査(期待指数)の内容とEUR/GBP(ユーロポンド)の動向を注視したい。英CPIが市場予想を上振れ、且つ独ZEWが下振れた場合、EUR/GBPを震源地としたユーロ売りが強まろう。その場合、EUR/USDは4月下旬の安値レベル1.0650レベルを下方ブレイクする可能性が高まろう。EUR/JPYのトレンドは株式動向次第となろう。

NY時間では、10月 の米CPIに市場の関心が集まろう。12月利上げ観測が高まるタイミングで市場予想以上となれば、ドル高が加速しよう。その場合、注視すべきは米国株式の反応だろう。ドル高懸念を跳ね返し続伸ならば、USD/JPYは「米株高+米金利上昇」を背景に下記「Technical analysis highlights」で指摘しているレジスタンスポイントを突破することが想定される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:厚いオファー 123.59:リトレースメント76.40%
サポート 122.20:サポートライン 122.00:ビッド

週明けは大陽線の示現により、10月15日安値118.06を起点としたサポートラインの維持に成功。攻防分岐として、リトレースメント76.40%が再び焦点として浮上してきた。このレジスタンスポイントを突破した場合は、124.00トライが次の焦点として浮上しよう。
一方、下値は引き続きサポートライン及び122円台の維持が焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが123.50-60はオファー優勢、124.00には厚いオファーが観測されている。123.80上にはストップの観測があり要注意。

EUR/USD

レジスタンス 1.0830:11/12高値 1.0766:10日MA(青ライン)
サポート 1.0650:ビッド 1.0600:ビッド

ついにローソク足の実体ベースで1.07のサポートポイントを下方ブレイク。RSIの動向を考えるならば、4月下旬の安値レベル1.0650前後をトライ → 短期的なショートカバー、という展開が想定される。
ただ、反発しても10日MAを突破出来ない限り、常にダウンサイドリスク(ユーロ売り/ドル買い)を警戒すべきだろう。
直近のオーダー状況だが1.0670、1.0665-50及び1.0610-00はビッド優勢となっている。一方、オファーは、1.0780-1.0800及び1.0820に観測あり。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。