イエレンFRBのスタンス

Market Overview-リスクオン完全回帰にはまだ時間が必要

18日の米国株式は、住宅建設許可件数(2月)が予想以上の伸びを示したことを好感し続伸。S&P500種株価指数に至っては、2日間の上げとしては過去5週間で最高となった。また、主要な欧州株式やメキシコボルサ指数、ブラジルボベスパ指数も堅調に推移する等、グローバル株式全体が総じてリスクオン優勢の展開に。一方、米債券市場では、イエレン連邦準備理事会(FRB)のスタンスを見極めたいとの思惑もあり、小幅に低下。また、海外時間の外為市場では円買い優勢の局面が見られる等、リスクオン回帰までには至っていない。だが今週に入り、綱引き(筆者は現在のグローバル金融市場の状況を綱引きに例えている)の「綱」は、徐々に「オン」サイドへ引っ張られている。

目先のリスク要因はウクライナ情勢だが、さらに事態を緊迫化させる要因として、ロシアによるウクライナ南部クリミア自治共和国の編入とウクライナ東部への軍事侵攻が指摘されていた。そのうちのひとつ、ロシアによるウクライナ南部クリミア自治共和国の編入をロシアのプーチン大統領が決定したものの、もうひとつのウクライナ侵攻には否定的な見解を示したことで、上述の通り株式市場は堅調に推移。リスクオン回帰のシグナルのひとつとして注目したい値動きだ。

しかし、リスクオン回帰の兆しが見え始めてきた根底には、米国経済に対する悲観論の後退があると考える。3月に入り雇用統計、小売売上高、鉱工業生産そして昨日の住宅建設許可件数は、米国経済の失速が寒波による一時的なものである、との見方を強める内容となった。もちろん市場予想を下振れた経済指標もあり、米国経済は脆弱さを内包しているものの、今後発表される経済指標が総じて良好な内容となるならば米国経済が先導役を果たし、紆余曲折を経てグローバル金融市場はリスクオン回帰のムードを鮮明にしていくだろう。そのきっかけとして、本日はイエレンFRBのスタンスに注目したい。

 

Today’s Outlook -イエレンFRBのスタンスは

本日の外為市場は、連邦公開市場委員会(FOMC)までレンジ相場となる可能性が高い。そのFOMCで連邦準備理事会(FRB)は、月額100 億ドルの緩和縮小を決定する公算が大きい。

焦点は、17日のレポートでも指摘した通り、フォワードガイダンスの全面的な修正に踏み込むかどうかだろう。利上げの数値目標として設定された失業率6.5%の完全撤廃も含め、超低金利政策を長期化させる姿勢をイエレンFRBが前面に打ち出せば、再びリスクオン回帰の兆しが見え始めてきた米国株式市場にとっては追い風となろう。そして早期利上げ懸念の後退と堅調な米国株式は、今後の新興国市場の安定化にも貢献しよう。結果、外為市場ではグローバル株式市場の上昇を背景に、クロス円を中心とした円安トレンドが加速する展開が想定される。

一方、主要6通貨に対する米ドルの総合的な価値を示すドルインデックスは、米金利の上昇圧力が削がれることで上値の重い状況が続くことを想定したい。ウクライナ情勢や中国リスクも、短期的な米金利の低下要因となり得る。目先は、重要サポートポイント79.00を維持出来るかが焦点となろう。だが、今後発表される米経済指標が総じて強い内容となるならば、米国の景気回復期待と各国金融政策のコントラスト(方向性の違い)がマーケットで意識されよう。株高維持に加え、それらの思惑までが台頭すれば、米金利への上昇圧力も徐々に強まろう。中長期的なドル高トレンドの見通しに変更はない。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.49:一目/転換&基準線(日足) 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.00:一目/基準線(週足) 100.75:2月4日安値

→リスクオフムードが後退し続けた場合、102円台への再上昇が目先の焦点となろう。102円台への攻防へとシフトした場合、102.50付近で推移している日足の一目/転換線(赤ライン)&基準線(黄ライン)をトライする展開となろう。102.00には厚いオファーが観測されている。また、102.20から102.50にかけてもオファーが並んでいる。一方、下値は週足の一目/基準線が推移している101.00もしくは100.75レベルを維持出来るかが注目される。ビッドは、101.50以下より断続的に観測されている。100.80にも厚いビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3967:3月13日高値 1.3950:レジスタンスポイント
サポート 1.3843:3月12日安値 1.3800:21日MA

→3月13日高値1.3967を上方ブレイクすれば、節目の1.40を視野に入れる可能性が高まる。一方、下値は1.38台の維持が焦点となろう。21日MAが1.3800前後まで上昇している。1.3950以上からはオファーが断続的に並んでいる。1.3975レベルにはオプションバリアの観測あり。一方、1.38前半にはビッドが断続的に並んでいる。

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