焦点は株式動向とFOMC議事録

Market Overview-ドル円、中長期スパンの見通しに変更なし

8日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発。S&P500種は前日比0.4%高、ナスダック総合は同0.8%高で取引を終了。4日の米雇用統計発表後から続いていた下落は一服したものの、戻りも弱く調整局面を脱したと判断するのは早計だろう。米国株式におけるリスクセンチメント改善は、今後の経済指標と企業決算次第だが、少なくとも前者に関しては直近の指標をみる限り、寒波による米国経済の失速は一時的な懸念に終わる可能性が高いことが示唆されている。よって、リスク選好の土台である「米国経済の回復期待」が著しく後退しない限り、緩やかなリスク選好相場が継続すると考える。

一方、昨日の外為市場ではドルインデックスが80.00を再び割り込む等、ドルへの売り圧力が強まっている。背景には米金利の動向がある。雇用統計(3月)の結果が連邦準備理事会(FRB)による早期の利上げを促す内容ではなかったことで、2年債利回りは0.40%手前で上昇が抑えられ、10年債利回り は4営業日連続で低下。米金利に対する低下圧力が続く中、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測が後退していること、そして好調な英経済指標等が重なり、ドル相場は軟調な地合いとなっている。また、対円では直近の米国株式の不安定化や黒田日銀の現状維持を背景とした円買い圧力も合わさり、日足の一目/雲を下方ブレイクする等、下落幅が拡大した。

正直、昨日のドル円急落は予想外だった。しかし、上述したリスクオンの土台に対する新たな懸念材料が出ていないこと、米金利の低下はむしろ新興国市場の安定化につながること、日米金融政策の方向性の違いを背景に将来の日米金利差拡大観測が強まる可能性が高いこと、そして経常収支の悪化に伴う潜在的な円買い圧力の後退を背景に、中長期スパンでのドル高/円安の見通しに変更はない。

 

Today’s Outlook -FOMC議事録に注目

本日のアジア&欧州時間では、重要経済指標の発表は予定されていない。よって、円相場は引き続き株式にらみの展開となろう。特にアジア株式の動向には注目したい。ウクライナ東部の緊張が高まる中、米国株式に続きアジア株式も堅調に推移すれば、欧州株式のサポート要因となる可能性があるからだ。そのアジア株だが、日経平均は、昨日の米国株式反発が円高懸念をどこまで相殺できるかが注目される。また、米金利に対する低下圧力は上述した通り新興国市場にとってポジティブ要因となろう。アジア株式全体が総じて堅調に推移すれば、外為市場では円安優勢の展開となろう。

株式以外で注目すべき材料は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録だろう。3月18~19日に開催されたFOMCの注目点は、FOMCが予想する利上げペースが速まったことだ。2015年末におけるFFレート予測の中央値は1.0%(25bp上昇)へ、そして2016年の中央値も1.75%から2.25%へそれぞれ上方修正されている。この背景には、将来の米国経済の回復に対する強気の見方がある。よって、今回の議事録で米国経済の持続的な回復に対するコンセンサスがFRB内で確立されていると判明すれば、米金利が反発する可能性があろう。その場合、ドル相場も反転しよう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.67:一目/基準線(日足) 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.50:サポートポイント 101.20:一目/基準線(週足)

日足の一目/雲を下方ブレイクしたことで、再び101円台の維持が焦点として浮上。目先はビッドが観測されている101.50レベルの維持が焦点だが、テクニカル面では週足の一目/基準線での攻防に注目が集まろう。レジスタンスの焦点は、日足の一目/基準線を突破するかが注目される。尚、102.80レベルと103円前半から後半にかけては断続的にオファーが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3876:3月24日高値 1.3820:一目/基準線
サポート 1.3737:4月8日安値 1.3692:一目/雲の上限

日足の一目/雲にサポートされ、再び1.38台を視野に入れる展開に。目先は、日足の一目/基準線の突破が焦点となろう。下値の焦点は、引き続き一目/雲の維持となろう。朝方のオーダー状況を確認すると、基準線が推移するレベルにはオファーが観測されている。ビッドは1.3720から1.3650レベルにかけて断続的に観測されている。

 

Today’s Chart

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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