焦点はECBのスタンスとユーロドルの動向

Market Overview-ドル高トレンド回帰はまだ先

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6日のグローバル市場は、リスク回避の状況に陥った。米国株式は短期の買戻しを背景に小幅ながら反発するも上値の重い印象は否めず。主要な欧州株式はウクライナ情勢の緊迫化を背景に総じて軟調。一方、新興国株式は強弱まちまちとなるも、米国株式同様、上値の重い状況が続いた。グローバル株式が軟調地合いとなったことで、安全資産への妙味から米金利には低下圧力がかかり、NY金先物12月限は大幅に反発し1300ドル台を回復。そして外為市場ではリスク回避を背景に円買い圧力が強まった。

昨日の値動きで注目すべきは、ドル相場の動向だろう。直近の米経済指標でファンダメンタルズ改善を示す内容が続いているにもかかわらず、ドル売り優勢となった。マクロ系ファンドによる大量のドル売りやファット・フィンガーの噂、そしてIMM上にて円買いフロー(USD3.3bn規模)が散見されたとの指摘があった。背景はどうあれ、ドル円は200日MAどころから21日MAをも一時的に下方ブレイクする展開となったことで、円安トレンドに水を差されたかたちとなった。事実、本日早朝は200日MAを回復し切れずにいる。

しかし円安派にとって幸いなのは、イエレンFRBの早期利上げ『懸念』が一時的にせよ後退していることで、リスク選好の先導役である米国株式が何とか持ち堪えている事実だろう。この状況が続いた場合、ドル高/円安トレンド回帰に必要な要素は、ファンダメンタルズ改善を背景とした米金利の『緩やかな』上昇である。その鍵は経済指標にあるが、来週半ば以降、重要指標の発表が予定されていることを考えるなら、4日のレポートで指摘した『ドル高トレンドの小休止』状態はもうしばらく続くと想定している。

Today’s Outlook -ユーロドル、乱高下の可能性も

目先、ドル相場以上に注目すべきは、ユーロ相場だろう。欧州中央銀行(ECB)理事会後に予定されているドラギ会見の内容次第で、ユーロ相場が乱高下する可能性がある。

域内のディスインフレ懸念と域外の各種リスク要因(ウクライナリスク、新興国リスク)に板挟み状態となっているドラギ総裁が、年内の緩和強化シグナルを発信してくれば、ユーロドルは下記『TODAY’S CHART POINT』で指摘している重要サポートポイントを下方ブレイクする可能性が高まろう。また、ユーロドルのさらなる下落は、米金利に再び低下圧力が強まる中でのドル相場の支援要因となろう。

ただ、直近の独仏金利の低下傾向を鑑みるに、ECBの緩和強化はある程度織り込んでいる感が垣間見える。このため、ドラギ会見のハト派的な内容によりファーストアクションがユーロ売りとなっても、その後ショートカバーが入る可能性もあるため要注意。ただし、このような展開となっても米欧の金融政策のコントラスト(方向性の違い)が鮮明になっていくことを考えるなら、上値余地は限定的だろう。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 103.00:レジスタンスポイント 102.27:200日MA
サポート 101.89:21日MA 101.78:8月6日安値

上値は103.00を目先の上限とし、再び200日MA(黄ライン)を突破出来るかどうかが焦点となろう。下値は、101.80レベルの攻防に注目。下方ブレイクした場合は、レンジの下限である101.00を視野に下落スピードが加速しよう。尚、朝方のオーダー状況だが、103.00、103.15レベルにはオファーが観測されている。ビッドは、101.70から101.00にかけて断続的に観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3405:10日MA 1.3397:5日MA
サポート 1.3333:8月6日安値 1.3320:一目/雲の下限(週足)

攻防分岐は1.3320レベルで推移している週足の一目/雲の下限だろう。ビッドも観測されており、ユーロドルをサポートする可能性が高い。しかし、重要サポートポイントである以上、下方ブレイクする展開はさらなるユーロ売りを誘発し、1.32台の攻防へシフトする可能性を高めよう。上値は、1.34台への再上昇が焦点となろう。

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