注目はECB理事会とユーロドルの動向

Market Overview-ドル円101.20&100.75トライは株式市場次第

7日の米国株式で、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数はともに反発。主要な欧州&新興国株式市場も底堅く推移した。背景には、ウクライナリスクの後退がある。一方、株高にも関わらず、イエレン連邦準備理事会(FRB)議長が引き続き超低金利政策維持の方針を示したことで、米債券市場は横ばいで推移。このためドル相場の反発は限定的となった。

イエレンFRB議長があらためて「高いレベルの緩和は引き続き正当化される」と明言したことで、現在の米金利の低下傾向は続く可能性が高まった。実際、米株の反発にも関わらず昨日の米2年債利回りは0.40%台を、10年債のそれは下限の2.60%台をそれぞれ下抜けた。よって、今後の円相場のトレンドを見極める上での焦点は、米国株式を筆頭とした株高傾向が続くかどうかだろう。昨日指摘した「株高オンリーのリスクオン」相場が継続するならば、円相場は米金利低下を背景としたドル円での下落を、株高を背景としたクロス円での上昇が相殺する展開となろう。

問題は、その株式市場が崩れた時だ。その場合、震源地はウクライナか中国となる可能性が高いが、経済面で考えるならやはり注視すべきは中国リスクの方だろう。今日明日と各経済指標が発表されるが、そうじて冴えない内容となれば、世界の株式市場の圧迫要因となる可能性がある。株式市場がリスクオフムードを強めれば、円安の支えとなっている唯一の土台が崩れることで、外為市場では円高圧力が強まろう。特にドル円は、米金利低下によるドル安圧力と株下落による円買い圧力の二重苦に直面することで、目先のサポートポイント101.20どころか、攻防分岐の100.75を視野に下落する展開もあり得る。

 

Today’s Outlook -焦点はECB理事会

新たな材料待ちムードが漂う中、本日アジア時間は中国貿易収支(4月分、発表時間未定)と豪州雇用統計(4月、日本時間10時30分)が材料視されよう。昨日の欧米&主要な新興国の株価指数が堅調に推移したタイミングで、これら経済指標も総じて市場予想を上回るならば、豪ドル相場にとってはポジティブ要因となろう。対円では96円台へ再上昇出来るかどうか、対ドルでは0.9370-80ゾーンを突破出来るかが注目される。逆に総じて冴えない内容が続けば、豪ドルのダウンサイドリスクが高まろう。

だが、本日最大の焦点は欧州中央銀行(ECB)理事会となろう。政策金利は据え置きの見通し。注目はドラギ総裁の会見内容だろう。ユーロ圏HICP 速報値(4 月)は前年比+0.7%と、3 月の同+0.5%から0.2pp 加速。また、小売売上高(3月)も堅調な内容となったことを考えるなら、今回も実弾なしの口先による緩和強化示唆のスタンスを採る可能性が高い。だが、現在のユーロ相場の水準を考えるなら、もはや「口先介入」の効果に期待出来ないことは明白。よって、緩和強化に向けた具体的な政策導入がなされなければ、目先のレジスタンスポイント1.3967(3月13日高値)を突破し、節目の1.40を目指す可能性があろう。

逆にECBが3 月のマクロ経済予測で公表したインフレ率を下方修正し、利下げや証券市場プログラム(SMP)の不胎化等を決定するならば、ユーロ相場にとってはネガティブ要因となろう。その場合、ユーロドルは21日MAが推移している1.38ミドルレベルを下方ブレイクし、1.38トライとなる可能性があろう。尚、経済協力開発機構(OECD)は6日、低インフレ懸念を背景に利下げやそれ以外の方策を導入する必要性について言及している。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.15:5月6日高値 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.20:サポートポイント 100.75:2月4日安値

100.75(2月4日安値)を起点としたサポートラインを完全に下方ブレイクすれば、サポートポイント101.20を視野に下落幅が拡大しよう。101.20レベルをも下抜ける展開となれば、100.75を目指す展開を意識したい。上値は、5月6日高値102.15レベルを突破出来るかが焦点。同じレベルには21日MA(赤ライン)が推移している。

ユーロドル

レジスタンス 1.3967:3月13日高値 1.3951:5月6日高値
サポート 1.3872:5月6日安値 1.3850:21日MA

目先の焦点は、1.3967(3月13日高値)の突破。ダブルトップを形成することなく、このレジスタンスの突破に成功すれば、1.40の節目を視野にもう一段上昇しよう。一方、下値は1.3850前後で推移している21日MAを維持出来るか、この点が注目される。

 

Today’s Chart 

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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