リスクオン加速の鍵はECBと米雇用統計にあり

Market Overview-徐々にリスクオンムードが強まるマーケット

3月31日のダウ工業株30種平均は1月17日以来、約2カ月半ぶりの高値水準まで上昇。S&P500種株価指数も続伸した。一方、米債券市場は小動きとなったものの、外為市場では円安圧力が強まり、そして商品市場では金相場の軟調な地合いが続く等、グローバル金融市場では次第にリスクオンへ回帰する兆しが見え始めてきた。

リスクオン加速の鍵を握るのは、3日の欧州中央銀行(ECB)理事会と4日の米雇用統計だろう。前者のECB理事会に関しては、根強いディスインフレ懸念を背景に追加緩和への期待が再び台頭している。ただ、ECBの追加緩和に関しては、ユーロ圏経済を支える金融政策というよりも、もっと大きな視点で捉えるべきだろう。今後、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が金融正常化に向けてアクセルを踏み続けることは確実であり、その過程で、グローバル金融市場における急激な流動性のタイト化懸念(緩和マネー縮小懸念)を背景に、ファンダメンタルズの脆弱な新興国市場の継続的な不安定化をもたらすだろう。しかし、ECBによる追加緩和の導入はこの懸念を後退させる要因となり得る。今回の理事会で何のアクションを起こさなくても、ドラギ総裁が近い将来の追加緩和導入を示唆すれば、今後グローバル株式市場のサポート要因となろう。世界的な株高傾向が維持されれば、外為市場での円安圧力をさらに強めよう。また、米欧金融政策のコントラスト(方向性の違い)を背景に、ユーロドルはさらに下値を模索する展開となろう。

後者の米雇用統計(3月)もリスクオン完全回帰に向けての重要なファクターとなろう。イエレンFRB議長は昨日、「経済には当面、異例のサポートが必要」、「経済と労働市場にはかなりのたるみが存在」と指摘した。これら発言の裏には、米金利の動向が新たなリスク要因として浮上することを阻止する意図があったのではないか。先月のイエレン発言以降、米金利には上昇圧力が強まっているが、株価の上昇を超える急激な金利の上昇は、かえって米国経済のリスク要因となるからだ。ましてや4日の米雇用統計の結果次第では、マーケットに早期利上げを一層意識させる可能性があることを考えるなら、イエレン議長はリスク要因の芽を前もって摘み取るために、敢えてハト派的な発言をしたと考えられる。昨日の発言がなければ、強い雇用統計の内容はかえってリスク要因と成りかねなかったが、イエレン議長が機先を制してきたことで、今回の雇用統計の内容が市場予想を上回っても、早期利上げ懸念を意識したリスク回避的な動きは避けられる可能性が高まったと考える。

 

Today’s Outlook -経済指標にらみの一日

ECBと米雇用統計までは動きづらい状況の中、本日は経済指標にらみの一日となろう。アジア時間は、日本時間10時以降に発表される中国経済指標に注目したい。同国経済における成長モメンタムの減速感が否めない中、冴えない内容となれば、豪ドル相場にはネガティブインパクトとなろう。また、豪ドル相場の動向を見極める上で豪準備銀行(RBA)のスタンスにも注目したい。ただ、世界的に株高傾向が強まる中では、対円で豪ドルが下落しても一過性の動きとなる可能性があろう。

欧州時間では、ドイツの雇用統計(3月)とユーロ圏経済指標に注目したい。ECBによる追加緩和観測がくすぶる中、総じて冴えない内容となればユーロ売り圧力が強まろう。

そしてNY時間では、ISM製造業景況指数(3月)に注目が集まろう。市場予想を上回る内容となれば、米国経済の持続的な回復が意識されることで米国株式は上値トライ、米金利は緩やかな上昇、そしてドル高圧力が強まる可能性が高い。逆に冴えない内容となれば、米金利の低下とドル売りを誘発しよう。米国株式は、景気回復期待の後退と早期利上げ懸念の後退が交錯し、小動きに終始すると考える。

 

今日のチャート

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Today's Chart Point

ドル円

レジスタンス 103.76:3月7日高値 102.48:103.44:3月31日高値)
サポート 102.79:3月31日安値 102.48:一目/基準線(赤ライン)

ドル円はレジスタンスラインを突破。次の焦点は、3月7日高値103.76だろう。一方、下値は102.50レベルを維持出来るかが注目される。

ユーロドル

レジスタンス 1.3845:3月20日高値 11.3805:一目/基準線
サポート 1.3705:3月28日安値 1.3685:一目/雲の下限

1.38台で上値の重い状況が続く中、目先の焦点は日足の一目/基準線の突破だろう。このテクニカルの突破に成功すれば、1.38ミドルが次のレジスタンスとして浮上しよう。一方、下値は一目/雲の上限までの下落を想定しておきたい。

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