焦点は「7月利上げシグナル」

Market Overview

14日の海外外為市場は引き続き英ポンドとユーロが売られる展開となった。ポンドドル(GBP/USD)は4月14日以来となる1.41割れの展開に。一方、ユーロドル(EUR/USD)は日足の一目/雲の下限はおろかビッドが観測されていた1.1200をも一時割り込む展開となった。両通貨は対円でも下落幅が拡大し、ポンド円(GBP/JPY)は2013年8月12日以来となる149.19レベルまで急落すれば、ユーロ円(EUR/JPY)も追随し118.51と、2013年1月24日以来の水準までユーロ売りが進行した。

この日の欧米株式市場は終始軟調地合いが継続した。Brexitリスクを背景に欧州株式の下落幅拡大が目立った。一方、米国株式では、ダウ平均が2月以来となる4日続落の展開に。軟調な株式は米独債への資金シフトを促し、独10年債利回りは初めてマイナス圏へ突っ込む展開となった(Low:-0.034%)。FEDの金融政策に敏感な米2年債利回りは一時0.70%台を割り込む局面が見られた(Low:0.6820%)。一方、原油価格(WTI7月限)は、Brexitリスクとドル高リスクを背景に4日続落する展開となった。

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Analyst's view

英国のEU離脱懸念(Brexit)が主役、米連邦公開市場委員会(FOMC)が脇役となっている感が強い現在のグローバル市場だが、FOMCが主役の座を取り返すならば、それは「7月利上げシグナル」にあろう。「Brexit」と「ドル高」という両リスクが同時に台頭するならば、グローバル株式市場への下押し圧力がさらに強まろう。外為市場ではクロス円を中心とした円高圧力が強まることで、ドル円(USD/JPY)もその動きに追随し下値トライ(=105.00トライ)の展開が想定される。105円台をブレイクする円高となれば、その後は介入観測とのせめぎ合い相場へシフトしよう。円売り介入の政治的ハードルは高いが、それでも踏み切るならば、その水準は104円台ではなく、輸出企業の採算レート103.20(内閣府による平成 27 年度企業行動に関するアンケート調査)が視野に入った段階と考えている。この水準をも割り込む円高は、アベノミクスと異次元緩和の整合性が問われるからだ。

クロス円で注視すべきは欧州通貨の動向だが、上記のリスク要因が重なった場合、ポンド円(GBP/JPY)の注目下値ポイントは昨年の最高値195.88レベルからのリトレースメント61.80%にあたる147.04レベル(=147円台の維持)となろう。Brexitを無事通過した場合(=EU残留で決着した場合)は、ネックラインである164.00レベルの回復が焦点となろう。一方、ユーロ円(EUR/JPY)の下値焦点は、2014年の大天井149.57からのリトレースメント61.80%にあたる115.30レベル(=115円台の維持)となろう。

また、14日のレポートでも指摘した通り、ドル高は中国リスクを再台頭させるきっかけとなる可能性がある点も要注意。外為市場ではオフショア人民元(CNH)が対ドルで下値トライを継続中。14日は6.6138と年初のリスク回避の余波が残っていた今年2月上旬以来の水準まで人民元安が進行した。一方、株式市場では今月に入り上海総合がマイナス2.75%(米ドルベース)、CSI300がマイナス3.15%(同)と下落幅が拡大傾向にある。


【ポンド円日足チャート】

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【ユーロ円日足チャート】

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