米指標データに神経を削る1週間

アナリストの視点-米指標データに神経を削る1週間

トレーダー

29日の米指標データは1-3月期GDP改定値をはじめ総じて冴えない内容となった。これら指標データに外為市場では素直にドル高一服で反応。ただ、イエレン発言以降強まったドル高圧力を完全に後退させるインパクトもなかった。

今週のドル相場は、先週以上に米指標データに神経を削る1週間となろう。ここまでは米年内利上げに対する過度の期待を背景にドル高が進行。チャート上では125円、もしくは2001年から2002年にかけて形成されたヘッドアンドショルダーの「ショルダー」レベル126円前後まで目立った上値ポイントは見当たらない。ドルインデックスの急反発を鑑みるに、現在の勢いを維持した場合でも、前者の水準(=125円)までは上昇する可能性があろう。

しかし、日銀の異次元緩和に対する過去の期待先行相場を振り返れば、実態の伴わない期待を背景とした上昇相場は長続きしない。ましてや現在は①日本の経常収支の改善、②日銀による追加緩和期待の後退、③原油安による国内インフレの低下、④世界的な緩和レース(=異次元緩和の優勢性の後退)と、円高圧力が強まりやすい相場環境となっている。ドル高の進行がさらに加速すれば、米国サイドからけん制発言が飛び出す可能性もあろう。急激なドル高は、目下のところ米経済や米国株式にとってはネガティブ要因であるからだ。

よって、持続的且つ健全なドル高トレンドを形成するには、やはり実態の伴った期待、つまりファンダメンタルズの改善期待が必要条件となる。今週は本日のISM製造業景況指数やPCEコアデフレータ―から5日(金)の雇用統計まで、米国経済の先行きを見極める上で重要な指標データが目白押しとなている。これら指標データが総じて市場予想を上回れば、「Data Dependency―指標データ次第」のスタンスを鮮明にしているイエレンFRBは9月利上げに向け地均しをより加速させるとの思惑が米債券市場と外為市場で意識されよう。実態の伴った期待が台頭すれば、USD/JPYは日米金融政策のコントラストを背景に125円以上の水準を目指す可能性も出てこよう。

本日の焦点-実態の伴った期待感の台頭が焦点

現在のUSD/JPYは米早期利上げ期待が過度に強まったことを背景に、ドル買いと同時に円売りも進行し(=直近のシカゴIMM通貨先物市場では、円ショートが2.2万枚から6万枚超へ増加)、約12年半ぶりの高値水準まで急伸している。先週のG7会合では、日本以外目立ったけん制発言は見られず(=とりあえず米国サイドは黙認)、現在のトレンドフォローの継続を背景に、目先125円台を目指す可能性は意識しておきたい。

この流れに水を差すならば、やはり米指標データだろう。イエレンFRBは、予てより将来の金融政策の方向性は指標データ次第であるとのスタンス(Data Dependency)を鮮明にしている。よって、本日以降の重要指標データが総じて市場予想以下となれば、先月22日より強まった米早期利上げへの過度の期待、つまり実態の伴っていない期待が後退することで、一転ドル売り圧力が強まる可能性がある。ただ、目下のところ「ドル安=株高&クロス円上昇」というトレンドが形成されていることもあり、USD/JPYで調整色が強まっても、120円台は維持すると現時点では想定している。

逆に実態の伴った期待、つまり堅調な指標データを背景とした米ファンダメンタルズの改善期待が強まれば、上記の通り125円越えの展開もあり得るだろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.00:レジスタンスポイント 124.50:レジスタンスポイント
サポート 123.77:5日MA(赤ライン) 123.00:サポートポイント

トレンドフォローの勢いが継続している状況を鑑みるに、短期的に125円までの上昇を想定。目先は、厚いオファーとオプションバリアが観測されている124.50レベルでの攻防を注視。
一方、下値は5日MAの維持が焦点となろう。123.50、123.00にはビッドが観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1145:21日MA&一目/基準線 1.1000:レジスタンスポイント
サポート 1.0956:一目/雲の上限 1.0819:5/27安値

1.10レベルがレジスタンスとして意識されている現状を考えるならば、今週もダウンサイドへ振れる展開を想定したい。焦点は1.08レベル(5/27安値)の維持だろう。1.07台の攻防へシフトした場合は、日足の一目/雲の下限の維持が次の焦点として浮上しよう。
一方、上値だが、再びショートカバーの展開となっても21日MA(黄ライン)までの上昇が限界か。今日現在、一目/基準線(赤ライン)もこのMAとクロスしている。

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