ドル高のトレンド化を探る1週間

Market Overview -米指標データに神経を尖らす1週間

bg_us stocks new 2

1月下旬以降、米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、93.00-95.00のレンジで固定された状況が続いている。ドル高トレンドが鮮明となった昨年7月からの上昇率が約17.00%であることを考えるならば、今年に入りドル高圧力が後退していることは明白。その一因として、6月利上げに対して不透明感が漂い始めていることが挙げられる。

だが、先週木曜日以降、市場予想を上回った1月の米消費者物価コア指数(CPI)を受け再びドル買い優勢の展開となり、EUR/USDはレンジの下限として意識されていた1.12台を下方ブレイクした。米6月利上げ観測への不透明感を強めている最大の要因は低インフレ懸念だが、その懸念が1月CPIコアで一時的に後退し再びドル買い圧力が強まった事実を鑑みるに、今週はドル高のトレンド化を見極めるために米指標データに神経を尖らす1週間となろう。

 

特に注目されるのは1月の米個人消費支出(PCEコアデフレーター)と2月の雇用統計となろう。前者は、米連邦準備制度理事会(FRB)が最も注視しているインフレ指標である。CPI同様、市場予想を上回る内容となれば、6月利上げ観測を背景に米金利の低下圧力が後退すると共にドル高回帰のムードが強まろう。ただ、完全にドル高トレンドへ回帰したと判断するには米雇用統計で持続的な賃金インフレ傾向を確認する必要があろう。なぜなら、賃金動向はイエレンFRBが6月利上げのハードルとして懸念している低インフレ状態から脱する重要なファクターとなるからだ(1月のFOMC声明および先週のイエレン議会証言でこの点について指摘)。PCEコアデフレーターが市場予想を上回り、且つ前回に続き賃金インフレ傾向も確認されれば、今月より始まる欧州中央銀行(ECB)の緩和マネー供給も合わさり、EUR/USDは1.10台を目指し下落トレンドが継続しよう。(マネタリーベースの観点からEURは対USDでより劣勢に)。一方、USD/JPYは日米金融政策のコントラストを背景に節目の120円を突破し、一時的に121.00トライ展開もあり得る。

しかし、USD/JPYが120円台の攻防へとシフトするかどうかは米株の動向次第だろう。強い雇用統計の結果、6月利上げ観測が再び台頭して尚、米株が現在の水準を維持できれば、クロス円がサポートされることで(ドルストレートでの下落を株高による円売り圧力が相殺することで)、USD/JPYは120円台の攻防へとシフトしよう。

逆に米株が崩れるならば、クロス円での下落がUSD/JPYの上昇圧力を削ぐことで、2月11-12日のように120円の滞空時間は短いものとなろう。

Today’s Outlook -焦点は米PCEコア 米株とドル相場の反応を注視

上記の通り、今週は米指標データに神経を尖らす1週間となるだろうが、本日注目すべきは1月の米個人消費支出(PCEコアデフレーター)だろう。市場予想は前月比+0.1%。予想以上ならば、6月利上げ観測の高まりを背景にドル買い圧力が強まろう。その後発表される2月のISM製造業景況指数も強い内容となれば金利差を背景にEUR/USDは1.11を、USD/JPYは120.00をそれぞれ視野にドル買い圧力が強まろう。

問題は米株の動向だろう。総じて冴えない指標データが続く中での6月利上げ観測の高まりは米企業業績に対するリスク要因として捉えられ、株安を招く恐れがある。グローバル株式市場全体がリスク回避ムードを強めればUSD/JPYのみは株安の影響を受け、他のドルストレートとは違いドル安優勢の展開を想定すべきだろう。

逆に本日の米指標データが総じて冴えない内容となれば、再びドル売り圧力が強まろう。この場合の焦点も米株の動向となろう。米ファンダメンタルズ改善期待の後退と6月利上げ観測の後退、どちらに反応するかで円相場のトレンドが左右されよう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 120.15:レジスタンスライン 119.84:2月24日高値
サポート 118.69:21日MA(2/27現在、赤ライン) 117.90:89日MA(2/27現在、緑ライン)

120.00トライが再び焦点に。21日MAでサポートされ続ける限りこの状況は継続する可能性が高い。逆に21日MAを下方ブレイクした場合は、短期サポートライン及び89日MAでの攻防に注視したい。

ユーロドル

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1324:一目/基準線(2/27現在、緑ライン)
サポート 1.1150:サポートポイント 1.1100:サポートポイント

一目/基準線にレジストされレンジの下限を下方ブレイクした。今月よりECBの緩和マネーが市場に流入することを考えるならば、常にダウンサイドリスクに警戒したい。目先の焦点は1.11台の維持。ただ、今週の米指標データが総じて強い内容となれば、1.11ブレイクの可能性が高まろう。一方、ユーロのショートカバーとなった場合、一目/基準線の突破が焦点となろう。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。