米指標データに神経を尖らす1週間

Market Overview-米指標データ、リスク選好のきっかけとなるか

bg_us_flag_531811

先月30日に発表された米国の10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値は、年率2.6%増と前四半期(7-9月期)の5.0%増から減速。市場予想同3.0%増をも下回る内容となった。これを受け米国マーケットは「株安 / 金利低下」で反応。米金融政策の方向性はData dependency-指標データ次第、イエレンFRBがこのようなスタンスを明確にしている以上、これらの反応は至極当然と言えるだろう。

ただ、今回のGDPの内訳をみると、米ファンダメンタルズ改善期待を完全に後退させる内容ではない。米経済のエンジンである個人消費支出の伸び率は前期の3.2%から4.3%へと増加。特に自動車やサービスといった耐久財の消費で底堅さが確認された。また、住宅投資も前期の3.2%増から4.1%増と底堅い伸びとなり、そして何よりも2014年度の成長率が2.4%増と、2013年度の2.2%増を上回っている点は重要だろう。経済成長の巡航速度が持続的に2.5%以上を上回る状況となれば、米金利への上昇圧力が強まる可能性が高まるが、その水準に向かって米ファンダメンタルズが改善し続けていることは、現状リスク選好回帰の唯一のサポート要因だからだ。

リスク選好への回帰か否か、この点を見極める上でマーケットはより米指標データに神経を尖らすだろう。イエレンFRBが”Data dependency”のスタンスを明確にしているならばなおさらで、雇用統計をはじめ今週発表される重要指標データが総じて市場予想を上回るようならば、ファンダメンタルズ改善期待を背景に6月利上げ観測がくすぶり続けることでドル相場の押し上げ要因となろう。

ドル相場同様、米株の動向も重要だろう。筆者が指摘した「1か月調整パターン」が今回(1月上旬以降の調整に)も当てはまるならば、2月上旬には米株がリスク選好回帰ムードを強めることになる。米企業決算が強弱まちまちとなる中、今週の指標データは「1か月調整パターン」から脱する重要なファクターとなろう。これらが米株の反発要因となればグローバル株式のサポート要因となり、外為市場ではドル買い圧力に加え、円売り圧力も徐々に強まろう。

リスクシナリオとして注視すべきは、冴えない米指標データが続くことで、米ファンダメンタルズ改善期待感が後退する場合だろう。現在の円安トレンドの根底には、米経済の成長期待と金融政策がある。各国中銀が緩和スタンスを明確にし、株式と商品市場で不安定な状況が継続しているタイミングで上記の根底を崩す指標データが続くならば、「1か月調整パターン」も崩れ、リスク回避ムードがグローバル市場全体を覆うことになろう。原油安の影響により貿易赤字が減少傾向にある点も考えるならば、円相場全体が円高トレンドを鮮明にしよう。ドル円の下値焦点は115.50レベルの維持だが、根底が崩れた場合はこれ以下の水準へシフトする可能性もあろう。


Today’s Outlook -米指標データ、PCEコア / ISM指数に注目

本日最大の焦点は米指標データとなろう。特に注目されるのは、米FRBが重要インフレ指標として着目する12月の個人消費支出(PCEコア・デフレーター)と1月のISM製造業景況指数だろう。総じて市場予想以上ならば、米景気回復期待が維持されることで米株とドル相場をサポートしよう。金利への低下圧力も後退するだろう。
逆に総じて冴えない内容となれば、リスク回避ムードが高まろう。この場合、外為市場で最も買い圧力が強まるのが円、売り圧力が強まるのが資源国&新興国通貨となろう。ドル円は117円を割り込む展開を想定したい。クロス円も総じて円高基調となろう。特にユーロ円と豪準備銀行(RBA)理事会を控えている豪ドル円で下値トライのムードが強まる可能性が高い。円買いと同時にリスク回避のドル買い圧力も対新興国通貨で強まろう。一方、対円&ユーロではドルロング(円&ユーロショート)の調整地合いとなろう。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 118.30:1月30日高値 118.00:レジスタンスポイント
サポート 115.85:1月16日安値 115.50:リトレースメント38.20%

本日早朝、ストップを巻き込み116.65レベルまでドル安/円高が進行した。短期サポートラインを下方ブレイクしたことで、さらなるダウンサイドリスクに警戒したい。目先の焦点は116円台の維持となろう。116.50以下よりビッドが点在している。116円台の維持に失敗した場合は、115.85及び2014年高値121.86からの38.20%戻し115.50レベルを視野に入れる展開となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1370:レジスタンスポイント
サポート 1.1200:サポートポイント 1.1100:サポートポイント

日足の一目/転換線(赤ライン)の突破に四苦八苦する状況が継続している。10日MA(緑ライン)がその基準線下に低下しレジスタンスラインとして意識されていること、1.1365から1.1400にかけて断続的にオファーが並んでいる点も鑑みるに、上値余地は1.1400レベルまでが限界と想定したい。一方、下値は目先1.12台の維持が焦点となろう。1.1250以下よりビッドが点在している。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 外国為替取引

    世界最大で最も流動性の高い金融市場の仕組みについて理解します。どのように国際通貨が取引されているかをご説明し、ポピュラーマーケットの取引を開始する前に知っておくべき重要ポイントを押さえます。

  • 株価指数の基礎知識

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。

  • 取引の過ち

    金融取引において心理状態は重要な要素であり、どのように取引を理解し反応するかが成功に大きな影響を与えます。ここでは、取引での心理状態についていくつかの要素を紹介し、気を付けるべき一般的な過ちを確認していきます。