米国イベントに注視する1週間

Market Overview-週半ば以降のドル相場に注目

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主要な世界株式市場の週間騰落率(21~25日の週)を確認すると、ロシアRTSが2%を超える下落幅となった以外、軒並み堅調に推移した。特に注目すべき点は2つ。ウクライナリスクに直面しながらもその影響が軽微だった欧州株式市場(マイナス圏に沈んだフランスCAC40は-0.11%、ドイツDAXは-0.78%程度の下落率)と、ダウ平均がマイナス圏に沈んだにもかかわらず、アジアを中心とした主要な新興国株式市場が総じて堅調に推移したことだろう。特にインドのSENSEX30は23-24日、連日で過去最高値を更新する展開となった。地政学リスクがくすぶる中でも、堅調に推移するグローバル株式の根底には日米欧の緩和マネーがある。そして今週は、その「緩和組」の一角である米連邦準備理事会(FRB)の動向を見極める上で重要な1週間となろう。

FRBがいつ宗旨替え(利上げ時期についての言及)を示唆するのか、その鍵を握るのが連邦公開市場委員会(FOMC)と米経済指標だろう。直近の指標(小売売上高、インフレ指標、住宅関連指標)を鑑みるに、もうしばらく経済データの数値を確認する必要があり、29-30日のFOMCでは特段タカ派寄りの声明を発表する可能性は低いと思われる。よって、焦点は経済指標となろう。7月30日に発表される4-6月期実質国内総生産・速報値(GDP)と8月1日に発表される7月雇用統計および6月個人消費支出(PCEコア・デフレータ)にマーケットの焦点が集中しよう。GDPは前回(1Q)大きく下振れた反動で市場予想(3.0%増)の範囲内まで上昇(オフセット)する可能性がある。また、雇用統計で継続的な労働市場の回復と賃金インフレ傾向が確認され、且つPCEコア・デフレーターも横ばい圏(前月比0.2%)から脱する内容となれば、8月下旬のジャクソンホール公演もしくは9月17-18日開催のFOMCでイエレンFRBの宗旨替えが意識され、米金利への低下圧力は急速に後退しよう。その場合の焦点は、グローバル株式市場が、現在のリスク選好相場を維持できるかどうかだろう。リスク選好の先導役である米国株式が最高値圏を維持するならば、グローバル株式も堅調に推移しよう。その場合、円相場では「株高+米金利反発」を背景にドル円を中心とした円安トレンドとなろう。英国ファンダメンタルズの改善と早期利上げ期待を背景に、ポンド円も円安のけん引役となる可能性がある。

また、「株高オンリー」のリスク選好相場から脱する(株高+米金利上昇の)展開は、対ドルでの新興国通貨下落も誘発しよう。それはユーロドルにも言える。米欧の金融政策のコントラスト(方向性の違い)を背景に、重要サポートポイントである1.3400を下方ブレイクする展開を想定すべきだろう。実際、米ドルのトレンドを示すドルインデックスが、81.00台へと上昇しドル買い圧力はジワリと強まっている。週半ば以降の経済指標が総じて強い内容ならば、さらにドル買い圧力が強まろう。

Today’s Outlook -イベント控え小動き

本日は材料少なく、また明日以降の米国イベントを控え小動きとなる可能性が高い。先週末の米国株式が反落したことでVIX指数も小幅ならが上昇。イベント前の調整売りが出やすいタイミングでもあり、円相場は円高トレンド優勢の展開を警戒したい。ただ、上述した通りリスク選好ムードは続いていること、イベント前ということも考えるなら、グローバル株式が総崩れとなる可能性は低いだろう。よって、円買いも限定的となろう。

注目の通貨は英ポンドだろう。25日発表の2014年4-5月期実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比で0.8%増(年率3.2%増)。危機前のピークである2008年1-3月期の規模を0.2%上回る強い内容となった。マーケットでは、イングランド中央銀行(ECB)による早期利上げを意識する段階にきており、緩和スタンスが継続している日欧とのコントラスト(方向性の違い)が、今後鮮明になってくるだろう。中長期的にポンド円は175円台、ユーロポンドは重要サポートポイント0.7764(2012年7月23日安値)を突破する展開を想定している。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 102.09:200日MA 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.60:21日MA 101.00:サポートポイント

200日MA(黄ライン)を突破するか、 21日MA(赤ライン)を再び下抜けるかが焦点。200日MA突破となれば、年初来高値105.44を起点としたレジスタンスラインを視野に入れる展開を想定したい。21日MAブレイクとなれば、101円台の維持が焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3500:心理的節目 1.3492:10日MA(赤ライン)
サポート 1.3421:7月24日安値 1.3400:サポートポイント

1.34台の維持が最大の焦点となろう。1.3420から1.3400にかけてはビッドが並んでいる。しかし、テクニカル面で注目すべきポイントが見当たらないことから、1.33台への攻防となれば、一気に下値をトライする展開となろう。上値は、オファーが観測されている1.3450レベルを突破し1.35台へ再上昇できるかどうか、この点が焦点となろう。

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