「ドル安=株高」の関係性は継続中

Market Overview

20日の海外外為市場はドル安が継続した。ドルインデックスは、9日以来となる93.50割れの局面が見られた(Low:93.44)。ドル安の継続と英国のEU離脱リスク懸念が後退したことを受け、欧米株式と国際商品市況(CRB指数)は揃って上昇。これらの動向を背景に英ポンドや資源国通貨が対ドルで堅調に推移した。
一方、円相場は円高優勢の展開となった。ドル安圧力が株高を背景とした円売り圧力の相殺要因となり、ドル円(USD/JPY)は103.76レベルまで反落。クロス円も総じて円高優勢地合いとなった。

原油価格(WTI7月限)は前日比+2.9%と大幅に反発。株高と原油高を背景に米金利も各ゾーンで反発し、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは10日以来となる0.7490%まで上昇する局面が見られた。

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Analyst's view

このレポートでは、ドル安の継続は株高要因と指摘してきた。昨日のドルインデックスは93.50割れとなった一方、海外株式は総じて堅調地合いとなった事実は、改めてこの関係性を浮き彫りにした(比較チャート①参照)。ドル安の継続に加え、先週末より英国のEU離脱を巡り残留派が息を吹き替えてしている点も考えるならば、英国の国民投票前(23日)にリスク回避ムードが再台頭する可能性は低くなったと考えられる。実際、イベントリスクに敏感なVIX指数は再び18ポイントを下回る展開となっている。

英国の国民投票前にドル高圧力を再び強める可能性があるイベント、それはイエレンFRB議長による議会証言だろう(21-22日)。だが、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見を振り返るならば、英国リスクが完全に後退する前にドル高を誘発する発言はしてこないだろう。よって、イエレン証言がリスクイベント(=ドル高&株安を誘発するイベント)になる可能性は極めて低い。

比較チャート②を見ると、目下グローバル株式の牽引役は米株であることがわかる(世界株式のパフォーマンスを唯一上回っているのは米株のみ)。英国のEU離脱というリスクシナリオが実現しない限り、「ドル安+米株高」の関係性が維持される公算が現時点では高い。よって、英国の国民投票前までのグローバル株式はレンジ内で上下に振れる展開が想定される。そしてメインシナリオである英国のEU残留が確認された後、リスク選好ムードが強まろう。
円相場のトレンドは、上記の株式に連動する展開を想定している。つまり、国民投票前までは上下に神経質に触れる展開、英国のEU残留が確認された後はクロス円を中心とした円安優勢の展開である。ポンド円や資源国通貨の上昇が円安の牽引役となろう。一方、ドル円(USD/JPY)は、ドル安圧力が株高による円安圧力の相殺要因となろう。105-108円ゾーンに散見される各レジスタンスポイントの突破に成功しても、株高のみに頼った上昇には限界がある。現時点では、今年最高値を起点としたレジスタンスラインまでの反発が限界と想定している。このラインは今日現在109円ミドルレベルまで低下中。「株高+米金利の上昇」が同時に発生しない限り、110円台への再上昇は難しいだろう。


【比較チャート①】青:世界の株式 緑:ドルインデックス

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【比較チャート②】緑:米株 青(点線):世界の株式 黄:日本 赤:中国

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