ドル高小休止 その間隙を突いたユーロ

アナリストの視点-独金利上昇を背景としたユーロ買いは長く続かない

bg_chart_1369837

週明けの外為市場では、5日の雇用統計後の流れを引き継ぐことなくドル高が小休止。その間隙を突いたのがユーロだった。この日発表された4月の独鉱工業生産が強い伸びを示したことで、独10年債利回りが上昇。一方、米債利回りは欧米株安を背景に各ゾーンで低下。結果、対ドルでユーロ買い圧力が強まり、EUR/USDは今月4日以来となる1.13台へ再上昇する局面がみられた(高値1.1307)。ユーロクロスでも同様の展開となり、EUR/JPYは140円ミドルレベル、EUR/GBPは0.73ミドルレベルをそれぞれ突破する展開となった。

一方、ドル相場は上記のユーロ買いに加え、オバマ米大統領がドル高に対して懸念を表明したとの報道(のちに米サイドが否定)も流れ、対主要国通貨で総じて軟調な地合いに。EUR/USDは上述の通り。USD/JPYは124.29レベルまで下落。新興国通貨全般でもドル売り優勢地合いとなった。

週明けの欧州マーケットは「株安/独連邦債売り(金利上昇)」の展開に。根強いユーロの買戻しも合わせて考えるならば、これまでの「株高/独連邦債買い(金利低下)/ユーロ売り」ポジションの調整は継続中。

だが、以前も指摘したように独連邦債のポジション調整(=金利上昇)を背景としたユーロ買いは長くは続かないだろう。このまま独金利の上昇トレンドが鮮明となれば、欧州株式市場での下落スピードが加速しよう。欧州株式市場でポジション調整を越えたリスク回避ムードが鮮明となれば、安全資産である独連邦債へ再び資金がシフトし独金利は低下しよう。結果としてユーロには再び売り圧力が強まろう。実際、昨日の米国マーケットはそのような状況(=株安/金利低下/ドル売り)となった。米欧金融政策のコントラスト(=方向性の違い)という土台もしっかりしている以上、EUR/USDのレンジは引き続き1.08-1.15レベルと想定したい。

本日の焦点-EUR/USDの動向に注目

本日の外為市場ではEUR/USDの動向に注目したい。良好な独指標データを背景に独金利が再び上昇。上記の通り独連邦債の買いポジションの調整が継続している点を鑑みるに、テクニカル面ではリトレースメント50.00%にあたる1.00%前後まで独金利が上昇する可能性があろう。週後半まで米重要指標データの発表が予定されていない点も考えるならば、EUR/USDは上記のレンジで推移する展開が想定される。

指標データで注視すべきは、日本時間18時の1-3月期のユーロ圏総生産(GDP)改定値だろう。市場予想通りなら欧州マーケットやユーロ相場へのインパクトは限られよう。だが速報値から上方修正されれば(可能性は極めて低い)、独金利への上昇圧力が強まることで昨日同様ユーロ買い圧力が強まろう。そのような展開となった場合、EUR/USDは今月4日高値1.1380レベル、EUR/JPYは今1月8日高値141.73レベルをそれぞれトライするかが注目される。

また、日本時間10時30分の5月の中国指標データ(消費者物価指数、生産者物価指数)も注視したい。同国への景気減速懸念がくすぶる中、総じて予想以下となれば豪ドル相場の圧迫要因となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.86:6/5高値 125.00:レジスタンスポイント
サポート 124.41:10日MA(緑ライン) 123.70:サポートポイント

上値の焦点は125円台への再上昇。下値の焦点は10日MAの維持。RSIが70.00の水準を割り込んできた点を鑑みるに、目先は下値トライに警戒したい。
10日MA以下での攻防となった場合は、6月以降相場をサポートしている123.70レベルが次の焦点として浮上しよう。
尚、直近のオーダー状況だが126.00前後までオファーが観測されていない。一方、ビッドは124.00前後及び123.80-70レベルにそれぞれ観測されている。尚、123.50下にはストップの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1380:6/4高値 1.1314:リトレースメント76.40%
サポート 1.1143:一目/基準線&21日MA 1.1108:10日MA

1.08-1.15のレンジ相場を想定。上下のチャートポイントは上記の通り。
尚、直近のオーダー状況だが1.1300にはオファー、1.1100にはビッドがそれぞれ観測されている。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。