根強いドル高トレンド 米国イベントを注視

Market Overview-米金利低下でも底堅いドル相場

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世界経済への先行き不透明感を背景に14日のグローバル株式市場は、強弱まちまちの状況が継続した。一方、安全資産への根強い逃避需要を背景に、米金利は中短期ゾーンを中心に低下傾向が継続し10年債利回りは2.20%を、30年債のそれは3.00%をそれぞれ割り込む展開に。商品市場ではNY金先物12月限(COMEX)が約1か月ぶりの水準まで反発した。
一方、外為市場ではドル高地合いが優勢となった。冴えない独&ユーロ圏の指標データも合わさりユーロドルは1.2640レベルまで下落。ドル円は107円台を堅持し、本日の東京時間を迎えている。

世界的にリスク回避志向が強まる中、昨年5月下旬に発生したリスク回避トレンド(バーナンキショック)と違う点は、不安定化している米国株式を横目に新興国市場(株式、通貨)が大きな混乱状態に陥っていないことだろう。この背景には米金利の低下がある。そして米金利が低下している最大の要因は、世界的な景気減速懸念を背景にイエレンFRBが利上げ時期を遅らせるとの観測が高まっていることだろう。

ただ、米金利に低下圧力が強まる中でも、外為市場ではドル相場が底堅さを維持している点は興味深い。本来ならばドル売り優勢の展開となってもおかしくないが、米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスは85.00を維持し続けている(昨日は反発)。この背景には、欧州&資源国通貨安があろう。昨日発表されたドイツZEW景況指数やユーロ圏鉱工業生産は共に域内経済の厳しい状況を浮き彫りにし、欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測を強める結果となった。また、世界的な景気減速懸念は資源需要の減少懸念を想起させ資源国通貨を圧迫。これらが重なり合い、ドル相場は底堅さを保ち続けていると考えられる。ただ、米金利の低下は本質的にはドル売り要因であり、目下売る要因に欠ける通貨はむしろ対ドルで上昇しやすい局面にあると言えるだろう。それはほかならぬ日本円だろう。グローバル株式市場が不安定化する中、国内サイドから過度の円安に対するけん制発言が喧しいことも鑑みるに、一度106.00トライとなる展開を想定しておきたい。

Today’s Outlook -焦点は米国イベント

アジア時間は中国の経済指標に注視したい。日本時間10時30分より生産者物価指数(9月、PPI)、消費者物価指数(同月、CPI)が発表される。内需の鈍さをあらためて浮き彫りにする内容となれば、株式市場と資源国通貨にとってはネガティブ要因となろう。

本日最大の焦点は、米国イベントにあろう。日本時間21時30分より小売売上高(9月)をはじめ、重要経済指標が順次発表される。総じてファンダメンタルズ改善を示唆する内容となれば、米国株式のサポート要因となろう。米株が底堅さを維持すれば、米金利への低下圧力が後退することでドル相場は他の通貨下落にサポートされたドル高ではなく、ファンダメンタルズ改善を背景としたドル高の展開となろう。

ただ、注視すべきは米為替報告書だろう。15日以降に公表予定となっている同報告書の内容(ドル高への懸念、日欧による通貨安誘導批判)次第では、ドル売り圧力が強まる可能性があろう。また、翌3時に公表される米地区連銀経済報告(ベージュブック)もドル相場の動向を左右する材料として注目しておきたい。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 108.03:10日MA(赤ライン) 107.57:10月13日高値
サポート 107.00:サポートポイント 106.50:サポートポイント

107.00をミドルに、本日は10日MAを突破するか106.50トライとなるかが焦点となろう。米経済指標が総じて強い内容ならば、10日MAを突破する展開を想定。一方、冴えない米経済指標や(公表された場合の)為替報告書でドル高懸念が示されるならば、106.50の下方ブレイクを想定したい。尚、朝方のオーダー状況だが、107.50&108.00にはオファーが観測されている。106.50、106.30そして106.00にはビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.2750:レジスタンスポイント 1.2715:21日MA(黄ライン)
サポート 1.2600:サポートポイント 1.2550:サポートポイント

ユーロ圏の脆弱なファンダメンタルズを背景にユーロ売りを想定。目先の焦点は1.2600での攻防だが、米経済指標次第では1.2550レベルをトライする可能性がある。一方、上値は21日MAの突破が焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況だが、1.2720にはオファー、1.2600&1.2550には厚いビッドが観測されている。

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