焦点は米個人消費の動向

Market Overview

11日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯する展開となった。この日発表された4月PPIは市場予想を上回ったものの、米株の下落が米金利の上昇圧力を後退させた。ドル円は114円前半から一時は113.50割れの局面があった。その後は、米株の下落幅が縮小したこと受け114円台へ再上昇する等、売り買いが交錯した。ユーロドルはNYタイム序盤に1.0850割れの局面が見られるも、その後は株安&米金利の上昇圧力後退を背景にユーロのショートカバーが散見された。ただ、ロンドン勢が引けた後に米株の下落幅が縮小したことで、ユーロドルは再び下落。4日連続で陰線が示現した。
他の市場動向だが、米ドルのトレンド決定要因となった米国株式市場では、主要3市場が直近の過熱感を背景にそろって調整売り優勢の展開となった。米2年債利回りは3月15日以来となる1.36%台到達となるも、その後は1.33%台まで低下。10年債利回りも2.4%台を挟む状況が続いた。NY原油先物6月限は、米原油在庫の縮小を受けた買いが継続。OPECによる協調減産期間の延長に対する観測も相場をサポートし、前日比0.50ドル高の1バレル47.83ドルで取引を終えた。

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Analyst's view

11日の米株は主要3市場がそろって下落。ただ、終盤にかけて下げ幅を縮小した事実を考えるならば、投資家のリスク許容度が縮小しているわけではない。S&P500のボラティリティも低水準での推移が続いている(チャート①参照)。また、11日のレポートで指摘した国際商品市況のリスクも、直近の反発によりその可能性が株式市場で意識される可能性は低下中。今後も調整売りは散見されるだろうが、突発的なリスク回避要因、たとえばイエレンFRBや米ドル高に対するトランプ大統領のネガティブ発言、地政学リスクの再燃といったリスクが突如発生しない限り、株高傾向は続く可能性が高い。よって、米ドル相場のトレンド決定要因である米金利が急低下する可能性も低い。ただ、冴えない米指標データが続けば、直近の金利上昇(債券価格下落)を調整する動きとなろう。

本日は4月CPI、同月小売売上高そして5月ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される。市場は小売売上高の内容を重要視する可能性が高い。労働市場の改善が個人消費にどの程度反映しているのかを見極める必要があるからだ。2017年1~3月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比0.7%増と、前期2.1%増から急減速したが、その主因は個人消費の低迷だった(0.3%増)。消費の落ち込みが一時的な現象であることが今回の指標で確認されれば、米株と金利の上昇圧力となろう。ドル円は108.13からの61.80%戻しにあたる114.60レベルを突破する可能性が出てくる。逆に市場予想を下回る内容となれば、米株、 米金利そしてドル円はともに調整相場の展開を想定したい。ドル円は、昨日相場をサポートした5日MAを下方ブレイクし、113円割れトライとなる展開を想定したい。一方、ユーロドルの焦点は上値が1.09レベル、下値が1.08台の維持となろう。後者の水準をトライするシグナルとして注視すべきは21日MAの下方ブレイクとなろう。詳細は本日のテクニカルレポートにて。


【チャート①:S&P500とボラティリティの動向】

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【チャート②:ドル円テクニカルチャート】

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