米中首脳会談の注目点

Market Overview

5日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯する展開となった。この日発表された米指標データは強弱まちまちの内容だったが、NYタイム序盤は良好な3月ADP全国雇用者数の内容を受け米ドル買いが先行した。しかし、その後に公表されたFOMC議事録では、現在の株高に対しイエレンFRBが懸念を持っていることが判明。これを受け、米株は上昇幅を縮小させ主要3市場はマイナス圏へ。株安は米金利の低下圧力を強め、米10年債利回りは2月下旬以来の低水準(2.3%台)で推移した。「株安 / 米金利低下」はそれまで堅調だったドル円の下落圧力を強め、高値111.45レベルから110.56レベルまで「ドル安 / 円高」が進行した。クロス円もドル円の動きに追随。ユーロ円は本日早朝に再び118円割れ。昨年のBREXITリスク時に付けた安値109.54レベルを起点としたサポートライン(今日現在116.90前後)のトライが視野に入ってきた。
尚、NY原油先物5月限は小幅続伸。供給過剰懸念の後退を背景に一時51.88ドルまで上昇する局面が見られた。ただ、米週間石油在庫統計で予想外の在庫増が判明し相場の上値を抑制した。

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Analyst's view

日本時間の7日朝(現地時間の6日)から2日間にわたり、米中首脳会談が実施される。焦点は2つ。ひとつは、貿易不均衡是正と為替問題。今回の会合では本格的な貿易摩擦を避けるために、中国サイドが米国人の雇用創出を目的とした投資案件や中国国内におけるサービス市場の開放を提案するとの観測報道がある。だが、中国サイドがどのような提案をしても、米国サイドが求める中国市場への十分且つ相互的なアクセスが担保されない限り、トランプサイドは態度を硬化させよう。イエレンFRBが現在の米株の水準に懸念を持っていることが判明し、且つ4月中に公表予定の米為替報告書への警戒感が意識されているタイミングで、米中の貿易対立までが鮮明となれば、週明け以降の外為市場では米ドル安圧力が強まる可能性があろう。

もう一つの焦点は、北朝鮮の度重なるミサイル発射を受け緊迫の度合いが増してきた東アジア情勢に関する米中の見解である。マティス国防長官による日本 / 韓国歴訪の言動、ティラーソン国務長官が来日した際の北朝鮮政策に対する発言、そして国内で批判が上がる中での長嶺安政駐韓大使の帰任等を考えるならば、米中首脳会談の行方次第で東アジア情勢が大きく動く可能性を市場は意識しよう。韓国ウォン(KRW)は年初から対ドル(USD)で上昇基調にあった。しかし、直近のUSD/KRWは3月下旬に底打ち感を強め、4月に入ると反発基調へ転じている。オプション市場でも1か月物コールへの需要が高まりを見せている。東アジア情勢に関する米中の思惑の摺合せもしくは相違の度合が、今後市場のかく乱要因となる可能性がある点には注意しておきたい。

本日の外為市場は、上述した米中首脳会談と明日の3月米雇用統計を控え、小動きに終始する可能性がある。ただ、米株の上値が重くなり、且つ米金利への低下圧力も中々後退しない状況下では、ドル円の上値は限られよう。節目の110円トライを引き続き警戒したい。上値は3月10日高値115.50レベルを起点とした短期レジスタンスライン(今日現在111.35前後)の攻防が焦点となろう(チャート参照)。


チャート:ドル円チャート

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