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トランプラリー再始動とトランプリスク

Market Overview

18日の海外外為市場では米ドル相場が急反発した。この日の講演でイエレンFRB議長は①完全雇用に近い状態の労働市場、②目標の2%に向けて上昇しているインフレ率、③今後数か月の経済情勢次第で利上げを行うことを指摘。イエレン発言が意識され米国債券市場では米金利が急反発。米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは2.43%近辺まで上昇する局面が見られた。ユーロドルは1.07前後から1.0630レベルまで米ドルの買戻しが進行。資源国通貨や新興国通貨全般でもこの日は米ドル全面高となった。

一方、この日の海外株式は強弱まちまちの展開となった。欧州株式市場は、ハードブレクジット懸念の一時的な後退やハイテク&鉱山株に買戻しが入ったことで総じて堅調に推移した一方、米国株式市場では政策不透明感が引き続き意識されダウ平均は4日続落。原油先物相場(WTI2月限)は、米シェールガスオイルの生産拡大観測(米エネルギー情報局月次リポート)や米ドル高が嫌気され急反落。引け際に1バレル=50.91ドルと、期近ベースでは1週間ぶりの安値水準まで下落する局面が見られた。

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Analyst's view

18日の市場動向は、米金利が米ドル相場のトレンドの決定要因であることをあらためて市場に印象付けた。昨日、その米金利反発を誘発したのは上記のイエレン発言だったが、内容自体に目新しさはなかった。それでも反発した背景にあるのは、2017年の順調な米利上げペースとそれに伴う日本 / 欧州との金利差拡大観測が根強いからだろう。今年に入り拡大した株式との乖離(下図チャート参照)が完全に縮小するためには、トランプ政策への期待が再び高まることが必須条件となる。言い換えれば、反発基調の継続はトランプ政権の政策運営能力次第である。米メディアとのコミュニケーション手法を早急に見直し、現実的且つ具体的な経済促進政策を説明することが出来れば「トランプラリー再始動」となるだろう。だが、11日の記者会見を含め直近のトランプ次期大統領の言動は、政策運営能力を備えるために時間がかかることを露呈している。よって、1月20日就任式後の米金利は、期待と不安が交錯ししばらく上下に振れる展開が想定される。米ドル相場もその動きに連動しボラタイルな展開となろう。

目先、ドル円の上値焦点は、10日MA(今日現在114.90台)および21日MA(同116.00前後)の攻防となろう。トランプ政策への期待が高まるならばこれらMAを難なく突破し、直近高値118.66トライの展開となろう。だが上述した通り、短期的には「トランプラリー再始動」よりも「トランプリスク」の方が意識される可能性がある。よって、反発局面が見られてもこれらMAでの反落リスクを常に警戒したい。一方、下値の焦点は週足一目/雲の上限と昨年12月高値118.66レベルからのリトレースメント38.20%が推移する112.00レベルの維持が焦点となろう。このポイントを下方ブレイクする展開となれば、111円ミドル前後(昨年11月下旬に2日連続で陰線が示現した際の安値111.35レベル)が次の下値ターゲットとなろう。一方、ユーロドルは1.0720レベルが新たなレジスタンスポイントとして浮上してきた。このレベルの突破に成功しても、昨年12月上旬にローソク足の実体ベースで上値をレジストした1.0760が控えている。また、今月3日安値1.0340からのリトレースメント76.40%が1.0748レベルで推移し且つ1.0755レベルにはオファーが観測されている。これらのことを俯瞰した場合、1.0720-60はレジスタンスゾーンと想定したい。下値のポイントは1.0340を起点とした短期サポートライン(今日現在1.0565前後)の維持が焦点となろう。


【チャート:米国株式と米10年債利回り動向】

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