新興国市場の動向に要注意①

Market Overview

19日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。イエレンFRB議長はこの日の講演で「雇用市場は過去10年間で最も強い」と指摘。この発言が意識され対ユーロと資源国通貨で米ドル買い圧力が強まった。ただ、この日の米国債券市場がトランプラリーの調整モードとなったことで、米ドル相場の上昇幅は限定的となった。一方、円相場は円のショートカバー主体の展開となり、ドル円は116.54レベルまで下落。クロス円も総じて円高優勢の展開となった。

海外株式動向だが、欧州株式は強弱まちまちの展開に。金融セクターでの売りが相場を圧迫した。一方、米国株式では、ダウ平均が根強いトランプ政策への期待を背景に反発。午前に1万9917.78ドルまで上昇する局面が見られた。NY原油先物相場(WTI1月限)は、ロシア駐トルコ大使の銃撃による供給懸念が意識され小幅に続伸した。

bg_chart_trading_7785

Analyst's view

米国債券市場では、クリスマス休暇を意識した調整ムードが感じられる。ただ、14日のFOMCや昨日のイエレン発言でもわかる通り、FEDは労働市場の改善に強い自信を有している。これを軸に来年の利上げペース拡大観測が台頭している現状を考えるならば、米金利が急低下する可能性は低いだろう。米ドル高のドライバーである金利の低下傾向が鮮明にならない限り、米ドル高の調整地合いも限定的となろう。ドル円は、12月の安値レベル113.00を目先の下限と想定し、まずは115円台を維持することが出来るかどうかを確認したい。一方、ユーロドルは1.08を上限と想定し、まずは1.05がサポートからレジスタンスへ転換するかどうかが重要ポイントとなろう。1.05以上の攻防となった場合は、1.0650および1.0760のレジスタンスポイントを突破出来るかが焦点となろう。

12月の米欧金融政策イベントがトランプラリーの収束要因とはならなかったことで、来年1月20日のトランプ次期大統領の就任式までこのラリーが継続する可能性が高いことは既に指摘済み。しかしその間、新興国通貨の一角では一波乱ある可能性がある。下のチャートでは、米大統領選以降のグローバル株式のパフォーマンスを比較している。注目すべきは新興国株式のパフォーマンスだろう。一時は米国の株高に追随する局面が見られた新興国株式だったが、FOMC後再び下落基調へ転じている。その中でも下落幅の拡大が目立つのが中南米の株式市場である。①トランプ政策期待を背景とした米国回帰、②米利上げペースの拡大観測、③北米自由貿易協定の見直しという三重苦が中南米諸国を直撃していることは想像に難くない。現状、外為市場では目立った中南米通貨売りは観測されていない。しかし、クリスマス休暇明け後は米国回帰が加速することが想定される。その状況下では中南米の株式市場はさらに下値を模索する可能性がある。株式のさらなる下落は資本逃避を市場に想起させることから中南米の通貨売り圧力を強めよう(対ドル)。特に米国との軋轢が懸念されるメキシコペソや政治リスクが意識され易い状況となっているブラジルレアルは対ドルで売り圧力が強まる可能性があるため要注意。一方、チリペソは、米国のインフラ投資期待に伴う銅需要の拡大観測を背景に640-680を中心レンジとした売り買い交錯のボックス相場となる可能性があろう。

Fundamentals-chart-1220

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。