焦点は米連邦公開市場委員会と米債市場の動向

Market Overview

8日のECB理事会後、再び強まった米ドル高基調を背景にドル円はついに115円台の攻防へと突入。目先の上値焦点は、リトレースメント61.80%の水準にあたる115.60レベル(2015年大天井125.86-今年最安値99.00レベル)。このレベルをも突破した場合は、今年の2月8日高値117.53レベル、リトレースメント76.40%の水準119.50レベル、そして節目の120.00の順でレジスタンスポイントを想定したい。一方、トランプラリーの勢いを一度止めるとしたら13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)となろう。

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Analyst's view

米ドル高が再加速したタイミングがECBイベント後であった点を考えるならば、筆者が警戒していたとおり先週のECBイベントはトランプラリーの勢いを後退させる要因だった。しかし、欧州株安と米欧金利差縮小を誘発しかねなかった緩和縮小(=テーパリング)の議論がなされなかったことで、欧州株式は反発基調を強めている(比較チャート①参照)。また、もうひとつのリスク要因となる可能性があった原油先物相場も減産合意後、反発基調を維持している。これらリスク要因が阻害されたことを背景に米国市場における株高と金利上昇の共存関係が健在という事実も考えるならば(比較チャート①参照)、外為市場では米ドル高の継続が今週もメインシナリオとなろう。

年内、トランプラリーの勢いを一度止めるとしたら、それは米ドル高のドライバーとなっている米金利の低下(=米国債の買戻し)しかないだろう。そのトリガーとなるイベントとして注目すべきは、やはり13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)となろう。期待先行で急騰した相場というのは、重要経済イベントで事実が確認された後、調整色が強まる傾向がある。クリスマス休暇を控えている点も考えるならば、今年最後のFOMC後に利上げ期待で上昇している米金利が、事実で低下(=米債が買い戻される)展開となれば、外為市場ではトランプラリーの米ドル高に調整圧力が強まろう。その場合、ユーロドルはショートカバーを背景に、目先のレジスタンスポイントである1.08レベルの突破および節目の1.10レベルまでの戻しを想定したい。一方、米ドル高の調整は国際商品市況にとってポジティブ要因であることから、資源国通貨や資源が主要な輸出品目となっている新興国通貨も対ドルで堅調推移となろう。

一方、円相場は株式動向次第だろう。米金利の低下は株式市場にとってポジティブ要因である。米国市場における上記の共存関係が一時的に崩れても、株高維持となれば、円安ドライバーはドル円からクロス円にバトンタッチすることになろう。ただ、ドル円の調整が円安圧力を相殺することから、上昇幅はこれまでよりも縮小する可能性を想定したい。この場合、ドル円は115.60ブレイク並びに冒頭で述べた最初のレジスタンスポイント117.53レベルを今週中にトライする展開が想定される。問題は、米国株式市場でも調整圧力が強まった場合だ。連日の高値更新となっている米国株式では、クリスマス休暇を前に調整圧力が強まり易い環境にある。米金利と米株が同時に調整局面入りすれば、円高圧力が強まろう。ただ、筆者が想定していた欧州金融政策リスクが顕在化しなかったこと、今回の調整が12月利上げ分のみであるという点を考えるならば、年内、ドル円が110円を割り込む可能性は低いと想定している。


【比較チャート①:グローバル株式のパフォーマンス】

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【比較チャート②:米株と米金利の動向】

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