加速するトランプラリー

Market Overview

23日の海外外為市場は、良好な米指標データ(10月耐久財受注)が好感され米ドル高がさらに進行する展開となった。ドル円は3月下旬以来となる112.97レベルまで急伸する局面が見られた。一方、ユーロドルは昨年12月3日安値1.0521レベルをトライする局面が見られた(安値1.0526)。

他の市場動向だが、トランプ政策への期待、良好な指標データを背景に米国株式市場ではダウ平均が連日の高値更新。ただ、感謝祭を控え上昇幅は限定的だった。一方、米国債券市場では各ゾーンの利回りが上昇した。良好な指標データに加え、この日公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、12月利上げの見解が示されたことが意識された。NY原油先物相場(WTI1月限)は小幅続落。減産合意期待が相場をサポートするも米ドル高の進行が上値を抑制した。

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Analyst's view

現在の相場を表現するなら「トランプラリー」といったところか。米国債券市場では米大統領選挙以降、景気動向に敏感な10年債利回りが約26.50%、FEDの金融政策の方向性を織り込みやすい2年債利回りが約31.00%も急騰している(チャート①参照)。短期間での金利急騰は、通常ならば株式市場にとってはネガティブ要因として作用する。しかし、米国市場における金利上昇と株高の「共存関係」が崩れる気配はない(チャート②)。本日は米感謝祭ということもあり、ポジション調整(=株売り / 債券買い / 米ドル売り)の展開を警戒したいところ。だが目先、上記の「共存関係」を崩すリスクイベントは見当たらない。よって、11月中の外為市場は、「トランプラリー」を背景とした米ドル高継続を想定したい。


一方、円相場では円安トレンドのさらなる加速が想定される。この可能性を高めているのが、「トランプラリー」が国際商品市況にまで波及しているからだ。チャート③では、米ドルのトレンドを示すドルインデックスとCRB指数およびWTI原油先物相場のパフォーマンスを比較している。22日のレポートでも指摘した通り、米ドル高のネガティブインパクトを跳ね返し急反発していることがわかる。この状況が米大統領選挙後に発生したという事実を考えるならば、トランプ政策(=インフラ投資)に対する資源需要の高まりを先取りした動きであることがわかる。月末の石油輸出国機構(OPEC)総会に対する期待感がここにきて高まっている点も考えるならば、11月中はどこまで円安が加速するかが焦点となろう。

円安の牽引役はドル円となろう。テクニカル面では、週足の一目/雲の攻防へシフトしている。昨日は、雲の中で推移している今年高安のリトレースメント61.80%(113.00レベル)で上値がレジストされた。しかし、ゴールデンクロスの示現(13週MA>26週MA)、遅行線(週足)のローソク足上放れ、そして長期レジスタンスライン突破という展開を考えるならば、次のターゲット114.00レベルをトライする可能性を意識するフェーズへシフトしている。クロス円で注視すべきは資源国通貨だろう。原油先物相場との相関性が高いカナダ/円は今年高安のリトレースメント61.80%の水準83.46レベルを昨日突破。85円の節目トライが現実味を帯びてきた。一方、豪ドル/円は週足の一目/雲の下限(83.30レベル)の攻防へシフト中。「株高+資源価格上昇」を背景に雲の中の攻防となる可能性を意識したい。注視すべきテクニカルポイントはリ、トレースメント38.20%(2014年天井102.85-今年最安値72.48)の水準84.08、および節目の85.00レベルとなろう。


【チャート①:米2年債&10年債利回りのパフォーマンス】

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【チャート②:米国市場の共存関係】

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【チャート③:ドルインデックスと商品市況のパフォーマンス比較】

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