ドル円のトレンドは米国市場の共存関係次第

Market Overview

今週の外為市場の焦点は、ドル高の継続にある。ドル円は米国市場の「共存関係」、つまり「株高維持と金利上昇の同時発生」の継続がトレンドを左右しよう。米国以外のイベントでは中国の指標データの内容を注視したい。9月貿易統計に続き冴えない内容が続けば、リスク回避要因となる可能性がある。

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Analyst's view

米国市場の共存関係とドル円
 

米国市場では、株高維持と金利の上昇が同時に発生中(比較チャート①参照)。この共存関係が今週も継続するならば、円相場は円安優勢の展開となろう。そのけん引役はドル円となろう。異次元緩和への期待が急速に後退した2016年のドル円は、米金融政策の先行き不透明感を背景に①「米金融引き締めリスク後退→米金利低下+株高→ドル安+円安→ドル安圧力と円安圧力がお互い相殺」、②「米金融引き締めリスク台頭→米金利上昇+株安→ドル高+円高→ドル高圧力と円高圧力がお互い相殺」という歪な関係を形成してきた。タイミング悪く異次元緩和への期待が急速に後退したこともあり、ドル円の反発余地は限られ、むしろ100円ブレイクの局面が散見された。しかし直近は、ドル円の持続的な上昇の条件である米国市場の共存関係が構築されている。テクニカル面でもネックラインである104.32レベルは、もはやレジスタンスポイントとしての機能を失っている。今週発表される四半期決算と米指標データで良好な内容が続くならば、107.50レベル(7月21高値)を視野に、これまで進行した「ドル安円高」の調整相場が加速しよう。一方、クロス円はドル高圧力と株高を背景とした円安圧力のせめぎ合いが想定される。欧州通貨売りがドル高のもう一つの要因となっていること、そして原油先物相場をはじめとした国際商品市況が改善基調にある点を考えるならば、ユーロ円やポンド円の上昇幅は資源国通貨のそれと比較した場合、抑制される展開が想定される。

 

リスク要因としての中国指標データ
 

上記の共存関係を崩す要因として注視すべきは、中国の指標データだろう。9月の貿易統計に続き、19日に発表される各種指標データが総じて冴えない内容となれば、株式市場の圧迫要因となる可能性がある。ドル高が加速しているタイミングで株式市場が崩れるならば、米金利には低下圧力が強まろう(=値ごろ感から米債券買い圧力が強まろう)。また、国際商品市況でも直近の上昇に対する調整圧力が強まろう。これら市場動向は、外為市場での円高圧力を強めるだろう。ただ、欧米投資家のボラティリティ指数は定位で安定している。よって、円高圧力が強まっても、9月下旬以降のトレンドを調整する動きに留まる可能性が高いと想定される。ドル円は、10月上旬以降、サポートラインとして意識されている89日MA(今日現在102.70前後)での攻防に注視したい。このMAを下方ブレイクしても、21日MA(=日足一目雲の下限、今日現在102.26レベル)までの下落ならば9月下旬以降急速に進行したドル高の調整と捉えたい。ユーロ円は下値の焦点を114.00、上値をトライアングル上限が推移している115.65前後(今日現在)と想定。ボラティリティが高まっているポンド円は124.80レベル(10/11安値レベル)を下限、128.20レベル(日足一目転換線)をコアレンジと想定。「Hard Brexit」の報道次第ではこれらレンジを大きくブレイクする可能性を常に意識したい。


【比較チャート①】

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【比較チャート②】

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