目先の焦点は米金利の動向

Market Overview

13日の海外外為市場は、米ドルを買い戻す動きが散見された。この日の米金利は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を意識した調整と米30年債入札の結果を受け、各ゾーンで上昇圧力が強まった。米金利の上昇は米ドルのショートカバーを誘発。米独10年債利回り格差が拡大したことで、ユーロドルは1.1260レベルで上値がレジストされ陰線引け。一方、ドル円は102.75レベルまで反発した。

他の市場動向だが、原油先物相場(WTI10月限)は国際エネルギー機関(IEA)による供給過剰懸念の長期化見通しや米国の石油在庫増への警戒感が重石となり急反落(前日比-3.0%、終値:44.90ドル)。欧米金利の上昇に原油安というリスク回避要因が同時に発生したことで欧米株式市場は総じてリスク回避の展開に。また、資源国通貨への売り圧力も強まり、特に原油相場との相関性が高いカナダドルは8月9日以来となる1.3189レベルまで急伸する局面が見られた。

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Analyst's view

13日のグローバル株式市場はリスク回避一色の展開となった。要因は3つ。①ドラギECBの緩和強化見送りによる欧州金利の急騰、②欧州金利の急騰&米金融政策に対する米金利の急上昇(=債券ロングの解消)、③供給過剰懸念を背景とした原油相場の再不安定化。

比較チャート①を見ると、金利の急騰が欧米株式市場の圧迫要因となっていることがわかる。昨日のユーロドルは陰線引けとなったが、その要因が「米金利上昇>独金利上昇」にある点を考えるならば、今後注視すべきは米金利の動向だろう(比較チャート②参照)。米ドル相場は現在の外為市場のトレンドを左右し、米ドル相場のトレンドは米金利に左右される状況となっているからだ。米金利の動向を見極める上で目先注視すべきは、15日以降の米指標データとなろう。日欧の金利上昇に追随する中、指標データまでが総じて市場予想を上回る内容となれば米金利の上昇をさらに促そう。原油相場が再不安定化する中での金利のさらなる急騰は、米国株式市場の調整圧力を強める要因となろう。外為市場ではドル高優勢の展開が想定される。

上記の展開となった場合、筆者が注視するのは国内市場で発生している乖離の動向だ。比較チャート③を見ると、依然として日経平均とドル円との間には歪な乖離が存在する(=2006年以降より鮮明となった順相関が崩壊している)。グローバル市場が再不安定化してなお日経平均が高値圏の維持に成功している主因は「日銀相場」にある。下落しても日銀が相場をサポートするとの心理的要因も重なり、現在のトレンドが形成されているわけだが、日経平均含め国内株式はグローバル市場の動向に左右され易い。ましてや日銀の金融政策に対する限界論が台頭するタイミングでグローバル市場がさらに崩れるならば、上記の乖離は日経平均の下落により収れんされるだろう。それは「日銀相場」の限界、つまり異次元緩和の限界を示唆することから、外為市場では「リスク回避+異次元緩和の限界」を背景に円高の再加速が想定される。ドル円は節目の100円再トライが現実味を帯びてこよう。

逆に日銀によるETF買いのピッチが急上昇することで「日銀相場」の圧力がリスク回避圧力を凌駕すれば、乖離はさらに拡大しよう。この場合、従来の「株高=円安」を想定したトレードにはリスクが伴う。ドル円はドル高の影響を受け底堅い展開が想定される一方、リスク回避の円高圧力が上値の圧迫要因となろう。一目/雲(日足)の突破の可能性は低いと考える。


【比較チャート①】
 緑ライン:米国S&P500 赤ライン:米10年債利回り

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緑ライン:欧州ストック600 赤ライン:独10年債利回り

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【比較チャート②】緑ライン:米独10年債利回り格差(米―独) 青ライン:ユーロドル

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【比較チャート③】緑ライン:日経平均 赤ライン:ドル円

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