「株高→円安→円高調整」を想定

Market Overview
5日の海外外為市場は、米国勢がレーバーデーで不在のため方向感に欠ける展開となった。円相場は、黒田発言を受けた円高圧力が一服し売り買いが交錯。ドル円は103円前半でのレンジ相場となった。一方、英ポンド相場は、良好なサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が好感され買い優勢の局面が散見された。しかし、この動きは短時間で終息し、ロンドン時間引けにかけては売り圧力が強まった。
この日は電子取引のみとった原油先物相場(WTI10月限)が堅調に推移。原油相場との相関性が高いカナダドルやロシアルーブルは堅調地合いとなった(対ドル)。他の資源国&新興国通貨も対ドルで堅調に推移した。

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Analyst's view

5日の黒田東彦日銀総裁による講演は、異次元緩和の限界論をけん制する内容となった。「必要であれば、躊躇(ちゅうちょ)すべきではない」、「(国債の購入拡大やマイナス金利の深掘りは)まだ十分可能」、「コストを考えたうえで、なお思い切った措置が必要になることは十分考えられる」等々。これら総裁発言に外為市場は円高で反応。ドル円やユーロ円は一目/雲(日足)で上値がレジスト。日経平均が1万7,000円の重要レジスタンスポイントを突破したのとは対照的な動きとなった。現在の国内株式市場が下落すれば日銀買いにより上昇が見込める「官制相場」の状況に陥っている点を考えるならば、ファンダメンタルズを反映した動きとなっているのは円相場の方だろう。ただ、その円相場は目先、株式動向次第で年初より進行してきた円高調整局面のムードが一時的に高まる可能性がある。そのシグナルとして注視すべきは、上述した一目/雲の攻防だろう。2016年に入り、ドル円とユーロ円はともにこのテクニカルの突破に失敗し続け、その結果、円高のレジスタンスラインが形成された。それ故、この重要テクニカル(一目/雲)の突破は、円高調整局面が加速するシグナルと市場で捉えられよう。

上記突破の鍵を握る株式市場だが、目先の懸念材料だったドル高リスク(=米早期利上げリスク)が後退していることで大きく崩れる可能性は低い。しかも国内株式に限って言えば、財政出動への期待や日銀が年間6兆円の上場投資信託(ETF)買いを達成するためにこれからピッチを速めてくる可能性を考えるならば、上値トライとなる可能性がある。株式市場が上値トライの状況、少なくとも大きく崩れない状況が継続するならば、ドル円とユーロ円は一目/雲を突破してくる可能性が高まろう。それを達成した場合、ドル円の次のターゲットは7月21日高値107.50レベル、ユーロ円は今年最高値132.35を起点としたレジスタンスライン(今日現在117.75レベル)となろう。

尚、本日の注目材料として豪準備銀行(RBA)の金融政策会合(政策金利は1.50%で据え置き予想)および米指標データ(8月労働市場情勢指 / 同月ISM非製造業景況指数)に注目したい。


【ドル円チャート】

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【ユーロ円チャート】

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