ドル安継続も欧州通貨の動向に要注意

Market Overview

17日の海外外為市場は、ドル安優勢の展開となった。この日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、利上げの判断は引き続き指標データ次第というスタンスを維持する内容となった。これを受け米国債券市場では各ゾーンの利回りが低下。外為市場ではドル安圧力が強まった。ドル円は100.04レベル、ユーロドルは1.1316レベルまでドル安が進行する局面が見られた。

他の市場動向だが、軟調地合いでスタートした米国株式はFOMC議事録公表後、反発基調の展開へ。主要3市場は揃ってプラス圏へと転じた。原油先物相場(WTI9月限)は産油国間における生産調整期待と米原油在庫の減少が好感され5日続伸(終値:46.79)。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.72%台まで低下した。

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Analyst's view

6月会合時点からハト派色が後退した7月のFOMC声明文や前日のダドリー発言もあり、FOMC議事要旨(7月26~27日開催分)に対する警戒感(=ドル高リスクへの警戒感)が強まっていた。しかし、ふたを開けてみればこれまでのイエレンFRBのスタンス、「Data Dependency―指標データ次第」を踏襲する内容だった。大半のメンバーがこれまでのスタンスを維持した背景にあるのは、インフレの抑制状態にある。雇用統計が示す通り労働市場が完全雇用の水準に近づいているにもかかわらず、低インフレ状態が続いているとなれば、イエレンFRBによる早期利上げは困難と市場は判断しよう。事実、昨日の米国市場は「株式反発 / 米金利低下 / ドル安」となった。

米ドル相場の方向性を示すドルインデックスは200日MAに再び上値がレジストされ、昨日は短期サポートラインを下方ブレイク。テクニカル面では7月に再び強まったドル高圧力が後退していることが確認された。ドル安の継続は株式市場と国際商品市況にとってはポジティブ要因となろう。産油国の生産調整期待を背景に原油先物相場が反発基調にある点も考えるならば、目先は資源国&新興国通貨の堅調地合いが想定される。円高圧力の後退の鍵はクロス円の動向にあろう。「ドルストレートの下落+株高」を背景にクロス円が堅調地合いとなれば、ドル円は「ドル安圧力 vs 円安圧力」のせめぎ合いとなり、100円を挟んだレンジ相場を形成する可能性が高まろう。

ただ、このレポートで再三指摘しているように、欧州通貨売りを震源地としたドル高再燃リスクについては常に警戒しておきたい。本日は、欧州中央銀行(ECB)理事会議事録が公表される(日本時間20時30分)。ドラギECBによる金融緩和強化の観測を高める内容となれば、ユーロ売り圧力が強まろう。ドル安基調の中でもポンドドルの戻りが限定的である事実は、カーニーBoEによる年内の追加利下げを意識しているからだろう。このタイミングでドラギECBによる金融緩和強化の期待が合わされば、欧州通貨には再度売り圧力が強まろう。その受け皿として選好されるのは米ドルとなろう。ドル高圧力が強まった場合、外為市場では円高リスクを警戒したい。ドル高リスクは株式市場と国際商品市況の下落圧力を強めるからだ。ドル円は、ドル高よりも株安の方により敏感に反応し、下値トライの展開が想定される。目先の焦点は「BREXITショック」時に付けた安値99.00。このレベルを下方ブレイクする展開となれば、円売り介入警戒感とのせめぎ合い相場となろう。ボラティリティが拡大する可能性(=相場の急変動の可能性)を常に警戒したい。


【ドル円日足チャート】

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