米指標データとユーロドルの動向に要注意

Market Overview

8日の海外外為市場は、堅調な国際商品市況の動向を受け資源国通貨を買う動きが散見された。この日の原油先物相場(WTI9月限)が1バレル=43ドル台まで急伸したことで、相関性の高いロシアルーブルは対ドルで先月22日以来となる64.37レベルまでルーブル高が進行。豪ドルや加ドルといった資源国通貨も対ドルで買い優勢の展開となった。資源国通貨では軟調地合いだったドル相場だったが、全体的には5日の良好な雇用統計の余韻を背景に底堅い展開となった。対ユーロでは4日続伸し1.11レベルを下方ブレイクする状況が継続中。対円では陽線が連続で出現し、今月2日の高値レベル(102.83)を視野に入れる展開となっている。他の市場動向だが、欧州株式は堅調な原油相場や米経済への期待感を背景に底堅い展開となった。対照的に米国株式は高値警戒感から主要3市場が揃って小幅安となった。米国債券市場は、米株安を受け小幅に低下。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは先月29日以降、0.75%手前でキャップされる状況が継続中。

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Analyst's view

ドルインデックスは再び200日MAを視野に入れる展開となっている。ただ、金融政策の方向性を反映する米2年債利回りは0.75%手前でのキャップ状態が続き、「BREXITショック」前の水準(0.78%台)すら突破出来ずにいる。また、市場の米利上げ予想確率(9月)が低水準(=Fed Watch:18%/ 金利先物市場:16.5%)となっている点も鑑みるならば、ドル高要因は米国内ではなく米国外、つまり欧州通貨売りにあると考えられる。

欧州通貨の動向で注視すべきは、やはりユーロ相場だろう。そのユーロ相場のトレンドは、ユーロドル(EUR/USD)によって大きく左右されよう。直近のユーロドルは今月3日以降、続落基調を維持し節目の1.09台(1.0950レベル)を再び視野に入れるムードが強まっている。背景にあるのは米欧金融政策のコントラストだろう。下の比較チャートをみると、良好な内容となった米雇用統計後、米独利回り格差(米10年債利回り-独10年債利回り)が急拡大している。それに伴いユーロドルに下落圧力(=ドル高圧力)が強まっていることがわかる。

目先のユーロドルは材料難からレンジ相場が想定される。しかし、12日の米指標データが雇用統計に続き総じて市場予想を上回る内容となれば、市場が想定する利上げ確率はさらに上昇しよう。それに伴い米金利は緩やかな上昇カーブを描くだろう。対照的に独金利は低空飛行が続く可能性が高い。カーニーBoEが予想を超える金融緩和に乗り出したことで、今後市場は、9月8日の会合でドラギECBもプロアクティブに「BREXITショック」の悪影響を食い止めるために動くとの思惑を強めてくる可能性が高いからだ。これら金融政策に対する思惑のコントラストはユーロドルの圧迫要因として常に意識しておきたい。そして欧州通貨売り(=ユーロ&ポンド売り)は、ドル高リスクを再燃させるトリガーとなることも常に意識しておきたい。


【比較チャート】※緑ライン:米独10年債利回り格差 青ライン:ユーロドル

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【ユーロ ドル 日足チャート】

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