「ドル高リスク→国際商品市況下落→株安→円高」シナリオを警戒

Market Overview

25日の海外外為市場は、円買い優勢の展開となった。日米の金融政策イベントを前に米国株式市場では主要3市場がそろって下落。原油先物相場(WTI9月限)も下落基調を維持したことで、外為市場では円買い圧力が強まった。ドル円(USD/JPY)は105.74レベルまで下落。クロス円も総じて円高優勢で推移した。
一方、ドル相場に大きな変動は見られず。国際商品市況の下落を背景に「ドル買い・資源国&新興国通貨売り」の状況が見られるも、対欧州通貨ではドル売り優勢の展開に。ドルインデックスは22日高値97.54を突破する局面(High:97.57)が見られるも小陰線となった。

米国債券市場では、不調な入札を背景に2年債利回りが0.743%まで上昇する局面が見られた。一方、10年債利回りは1.55-1.60%のレンジでこう着した状況が続いた。

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Analyst's view

25日の米国株式市場は反落。これまでの上昇を考えるならば、日米金融政策イベントを前に下落するのはよくパターン。注視すべきは、下落の牽引役がエネルギーセクターだったことだろう。

25日の原油先物相場(WTI9月限)は、4月26日以来となる43ドル割れの局面が見られた。テクニカル面では、標準誤差回帰分析バンドの下限をトライ中(チャート参照)。また、国際商品市況(CRB指数)も今月13日以降、連続で陰線が出現中。これら下落の一因は供給過剰懸念にある。だが7月以降、外為市場でドル高圧力が強まったタイミングと国際商品市況全体の下落のタイミングが一致している点を考えるならば、主因はドル高リスクにあろう。
現状、このリスクは株式市場にまで波及していない。リスク選好の先導役である米株が堅調さを維持しているからだ。その米株は、好調な四半期決算でサポートされている。また、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)もイエレンFRB(FED)がハト派スタンスを継続する可能性が高く、この点も米株のサポート要因となろう。だが、これら米国イベントが終了して尚、ドル高基調が継続するならば「ドル高リスク→国際商品市況下落→エネルギーセクターが株式市場の下落を牽引→株式下落」というシナリオを警戒したい。

ドル高基調継続(=ドル高リスクの高まり)の鍵を握るのは、欧州通貨となろう。ユーロドル(EUR/USD)は1.10-1.12のレンジを下方ブレイクした。ポンドドル(GBP/USD)も再び節目の1.30に向け下落圧力が強まっている。これら欧州通貨売りの主因は金融緩和政策の強化観測にあろう。来月にはカーニーBOEが利下げに踏み切るだろう。経済状況によっては年内にもう一回、利下げを行う可能性が高い。また、ドラギECBも9月の理事会で金融緩和の強化に踏み切る可能性が高まっている。よって、FEDがハト派スタンスを維持しても、それ以上の金融緩和の強化スタンスを欧州勢が示しているとなれば、ましてや金融政策の正常化に向かっている状況を考えるならば(=米欧金融政策のコントラストを考えるならば)、欧州通貨売りを震源地としたドル高圧力がさらに加速する可能性は十分に考えられる。

上述したシナリオが現実化した場合、外為市場で最も選好されるのは日本円となろう。特にドル円(USD/JPY)は、三度一目/雲(日足)を突破できるかどうかの重要局面にある。これを達成する前に反落となれば、テクニカル面でも「2016年は円高の年」と市場関係者に強く印象付けよう。


【比較チャート(日足)】
・赤ライン:WTI 
・青ライン:CRB指数 
・テクニカル: 標準誤差回帰分析バンド(WTI)

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