今週の焦点はドル高と黒田日銀のスタンス

Market Overview

米国株式市場が高値圏を維持する中、今週は米連邦公開市場委員会26-27日(FOMC)と日銀金融政策決定会合(28-29日)が開催される。ただ、前者の現状維持は市場も織り込み済み。より市場の関心を集めるのは後者となろう。筆者はリスクイベントとして注視している。

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Analyst's view

ドル高vs株高

米ドル相場の方向性を示すドルインデックスを確認すると、200日MAを完全に上離れした状況となっている。米金利の低空飛行状態(=米2年債利回りが0.70%台前半でのキャップ状態)を考えるならば、現在のドル高は他通貨売りの影響を受けたドル高と考えられる(=米金利がドル相場のトレンドの決定要因とはなっていない)。その主因は、ユーロドル(EUR/USD)の1.10ブレイクが示唆する通り欧州通貨売りにある。そして直近は、原油先物相場をはじめとした国際商品市況の軟調地合い(=資源国&新興国通貨売り)もドル高の一因となりつつある。

現在の状況下でドル高リスクを考える場合、より重要な点は、リスク選好の先導役である米株への影響だろう。現状、良好な企業決算が米株をサポートしている。今週発表される企業決算が総じて市場予想を上回るならばドル高リスクが相殺され、米国株式市場は現在のリスク選好状態を維持しよう。だがこの状況は、米企業決算が市場予想を下回る内容となれば、ドル高リスクが米株の下落要因になり得るということでもある。

注視すべきは後者の展開だろう。それが現実化した場合は「ドル高リスク→米株下落→米金利低下→ドル安へ反転→他通貨買い」というシナリオが考えられる。しかし、世界的な株高の状況下でドル高リスクがくすぶっている状況、そして米金利がドル相場のトレンドの決定要因となっていない状況を考えるならば、「ドル高リスク→米株下落→リスク選好の先導役不在→グローバル株式下落→国際商品市況のさらなる下落→他通貨売り→リスク回避のドル高加速」というシナリオの方をより想定すべきだろう。

尚、今週はアップル、アマゾン、アルファベット(Google)、エクソンモービル、キャタピラー、コカコーラ、フォードにマクドナルドといった主要企業の決算発表が予定されている。

リスクイベントとしての日銀金融政策決定会合

今週、米連邦公開市場委員会(FOMC)以上に注視すべきは、28-29日に開催される日銀金融政策決定会合だろう。ヘリコプターマネーの導入については22日のレポートでも指摘した通り、今会合での導入は不可能である。また、現行の金融緩和政策を強化しても、アベノミクス第3の矢である「成長戦略=構造改革」が遅々として進まない状況下では、もはや市場の期待に働きかけることはできない。この点は今年の「株安・円高」で証明されている。よって、黒田日銀が金融緩和の強化に踏み切り、それに対する市場のファーストリアクションが「株高・円安」でも、その動きは一過性で終わろう。上述したドル高リスクが意識されれば、むしろ絶好の「日本株売り・円買い」のチャンスを海外投機筋に与えることになろう。また、金融政策の現行維持となれば、先々週からの期待先行相場が終焉し、「株高・円安」の逆回転相場(=株安・円高)が想定される。

どちらにしても今回の日銀イベントは、リスクイベントとして注視すべきだろう。ただ、逆回転相場(=株安・円高)となっても、下値の水準はグローバル株式動向次第となろう。米企業決算がドル高リスクを相殺するならば日経平均は1万5,400円レベル、ドル円(USD/JPY)は103.50前後(=BREXITショック前後にサポート・レジスタンスとして意識された水準)でサポートされる展開が想定される。
逆に米企業決算がドル高リスクの相殺要因とならずに「ドル高加速→株式&国際商品市況下落」となれば、外為市場では円買い圧力が一気に強まろう。この場合、ドル円(USD/JPY)は100円再トライを警戒したい。日経平均は1万5,000円トライを警戒したい。

【ドルインデックス日足チャート】  

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