米株次第の円相場

Market Overview

11日の海外外為市場は、株高を背景に東京時間から強まった円売りトレンドが継続した。ドル円(USD/JPY)は103.00手前まで上昇。クロス円も総じて円安優勢の展開となった。一方、ユーロドル(EUR/USD)は1.10ミドルを挟んだレンジ相場が継続した。また、この日は原油価格(WTI8月限)が反落したことで、相関性の高いカナダドルやロシアルーブルは対ドルで軟調地合いとなった。ドルインデックスは底堅く推移するも、200日MAで上値がレジストされる状況は変わらず。

他の市場動向だが、欧米株式は総じて堅調に推移した。特に米S&P500指数は1年2ヵ月ぶりに過去最高値を更新する展開となった。一方、ダウ平均は昨年5月22日以、そしてナスダック指数は昨年12月31日以来となる高値水準で取引を終了した。WTI8月限は上記の通り反落。一時は44.42ドルと期近物として5月11日以来2カ月ぶりの水準まで下落する局面が見られた。米金利は株高に反応し、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは4営業日連続の上昇となり、0.65%台へ再上昇した。

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Analyst's view

以下のパフォーマンス比較チャートをみると、米株のみが世界株式のそれを上回っていることがわかる。だがより注視すべきは、日欧中のパフォーマンスとの乖離が拡大傾向にあることだろう。グローバル株式は「米株一強」の様相を強めているが、これは米株が崩れた場合リスク選好の先導役が不在となることも意味している。「米株一強」状態が継続するか否か、目先は今週より本格化する米四半期決算の内容を見極める必要があろう。総じて市場予想を上回る内容が続けば、米株がリスク選好の先導役の役割を果たすことで、ドル円(USD/JPY)の100円台維持に貢献しよう(上値は103.40レベルの完全ブレイク)。一方、S&P500指数が過去最高値を更新しているタイミングで冴えない決算内容及び「BREXITショック」の連鎖を警戒し業績見通しの下方修正が続けば、割高感のある銘柄を中心に利益確定の売り圧力が強まろう。米株が崩れた場合は、円高圧力の高まりを警戒したい。

株式動向以外で注目すべきはイエレンFRBの金融政策スタンスだろう。本日はFEDスピーカーの講演が予定されている。「BREXITショック」連鎖の見極めが新たなミッションとして浮上する中、タカ派と目されるメスター・クリーブランド連銀総裁及びブラード・セントルイス連銀総裁の言動に注目したい。利上げに対しハト派スタンスへ転じていることが確認されれば(ブラード総裁はすでにその傾向あり)、株式市場にとってポジティブ要因となろう。タルーロFRB理事はハト派スタンスを維持する公算が高い。FEDスピーカーの言動が株式市場をサポートすれば(=上値をレジストするほどのタカ派姿勢でなければ)、USD/JPYは「BREXITショック」後の戻り高値103.40レベルをトライする展開が想定される。クロス円も総じて円安基調を維持しよう。ポンド円(GBP/JPY)は135円台への再上昇、ユーロ円(EUR/JPY)は6月30日高値114.80を突破し115円台へ乗せてくるかが注目される。


【パフォーマンス比較チャート】緑:米株 青点線:世界株式 黄:日本 赤:中国 青:欧州

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