「ドル高→株安→円高」を警戒

Market Overview

7日の海外外為市場は、原油価格の大幅下落により資源国通貨売り圧力が強まる局面が見られた。しかし、本日の米雇用統計(6月)を見極めたいとの思惑が強く大きな変動は見られなかった。ドル円(USD/JPY)は100円後半でこう着状態となれば、ユーロドル(EUR/USD)も1.10後半でレンジ相場が継続した。

他の市場動向だが、原油価格(WTI8月限)は一時44.87ドル(5月11日以来およそ2カ月ぶりの安値)まで下落する局面が見られた。軟調な原油価格は米株の上値を圧迫した。
一方、米債券市場に大きな変動は見られず、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.60%以下での低空飛行が継続した。

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Analyst's view

昨日のドルインデックスは小幅に反発。ただ、200日MAで上値がレジストされている状況に変化は見られず(日足チャート参照)。他通貨売り(主に欧州通貨売り)の受け皿という「消極的なドル買い」では、これ以上のドル高水準は望めないだろう。200日MAを突破するならば、それは「積極的なドル買い」が条件となろう。
この条件をクリアする材料として市場が注目しているのが、本日の米雇用統計(6月)だ。外為市場のトレンドは、雇用統計の結果に対する米株の反応に左右されよう。市場予想の範囲内であれば「米経済は他国に比べ底堅い。しかしFEDに早期利上げを促すインパクトはない」という楽観論を背景に米株は素直に株高で反応する可能性が高い。米金利にも上昇圧力が強まるだろう。しかし「利上げ観測」無しの上昇には限界があろう。よって、ドル高圧力が強まっても短期(本日中)で終息する可能性が高く、むしろ上記の結果は、来週以降原油価格をはじめとした国際商品市況にとってポジティブ要因となり、資源国&新興国通貨をサポートする可能性がある。

一方、円相場は短期的にドル円(USD/JPY)が円安を牽引する可能性がある。しかしドル高が一過性で終わることを想定するならば、円安の牽引役は株高とクロス円の動向次第だろう。

 

リスクシナリオとして注視すべきは、強すぎる雇用統計となった場合だろう。例えば①前回の雇用者数(3.8万人)が上方修正され、②今回の雇用者数が予想(17.5万人)を上回り(20万人台へ到達し)、③失業率が低下し、且つ④賃金上昇率までが市場予想(0.2%)を上回れば、「利上げ観測」が再台頭し米金利には強い上昇圧力がかかるだろう。外為市場では「積極的なドル買い」圧力が強まり、ドルインデックスは200日MAを突破してくることが想定される。この場合、米株は「リスク回避のドル高」を背景に下落する可能性が高い。また、国際商品市況も続落しよう。そして外為市場では欧州通貨や資源国&新興国通貨に売り圧力が強まることでクロス円は総崩れとなろう。これら市場動向の結果、ドル円(USD/JPY)はリスク回避を背景とした円高圧力がドル高圧力を凌駕する展開となり、心理的節目の100円を視野に下落するリスクが高まろう。金融緩和観測を背景に売り圧力が強まり易いユーロやポンドも対ドルで下落しよう。ユーロドル(EUR/USD)は1.09台、ポンドドル(GBP/JPY)は1.28台の維持がそれぞれ焦点となろう。


【ドルインデックス日足チャート】青ライン:200日MA

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