リスクセンチメントはドル相場とともに

Market Overview

22日の海外外為市場は、英国の国民投票を直前に控えていることもあり方向感の無い展開となった。英国の世論調査で離脱派がリードしている報道が伝わるとポンドとユーロには売り圧力が強まる局面が見られた。しかし、ポンドドル(GBP/USD)は1.146台、ユーロドル(EUR/USD)は89日MAでサポートされる展開に。一方、円相場は欧米株式にトレンドが左右される展開となった。欧州株式が続伸したことでロンドン時間は円安優勢となったが、米株の上昇幅が徐々に縮小するに伴いNY時間は円高優勢の展開に。ただ、ドル円(USD/JPY)は104円ミドル、ユーロ円(EUR/JPY)は118.00レベルを挟んでのレンジ相場となった。ポンド円(GBP/JPY)も153円台を中心に売り買いが交錯した。本日早朝に円売り圧力が突如強まったことで、USD/JPYは105円手前(High:104.98)、EUR/JPYは119円台(High:119.05)まで急上昇する局面が見られた。GBP/JPYも一気に155.74レベルまで急伸した。

この日の原油価格(WTI7月限)は、米国の原油在庫の減少幅が小幅だったことから続落。英国リスクも原油価格の重石となった。米債券市場では軟調な米株と原油価格の動向を受け、各ゾーンで低下圧力が強まった。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは前日の0.76%台から0.74%台へ低下した。

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Analyst's view

本日は英国でEU離脱の是非を問う国民投票日。大勢は日本時間24日午後に判明する見通しとなっている。

今週の外為市場は、英国世論の動向に右往左往する展開となっている。22日は、離脱派優勢の報道を背景にポンドへの売り圧力が強まる局面が見られた。しかし下落幅は限定的であり、むしろポンドドル(GBP/USD)はレジスタンスポイント1.48レベルを上方ブレイクする局面が見られた(High:1.4844)。また、欧州株式市場も続伸基調を維持している。ブックメーカーのオッズを見る限り「EU残留」が優勢となっているが(最大手のWilliamhillのオッズ:「残留:1.22倍」「離脱:4.33倍」)、直近の欧州株や通貨は、各種世論調査よりもブックメーカーのオッズを反映した状況となっている(欧州市場比較チャート参照)。

メインシナリオが「EU残留」であることは指摘済み。実際、この結果に落ち着けば、リスク選好の土台となっている「ドル安」が継続していることから、グローバル市場はリスク選好色を一気に強めよう(=株高・国際商品高)。
問題は、リスクシナリオである「EU離脱」の現実化だろう。この場合、グローバル株式では欧州市場が世界的な株安連鎖の震源地となろう。外為市場ではポンドとユーロに売り圧力が強まることは容易に想像がつく。対照的に最も選好されるのが日本円となろう。ドル円(USD/JPY)はクロス円の急落(特に欧州通貨の急落)と米金利の低下に直面し、一気に101.00(=2014年前半のサポートポイント)を視野に急落する展開が想定される。一方、外為市場全体では、欧州通貨と資源&新興国通貨売りの受け皿として米ドルが選好されるだろう(=リスク回避のドル高)。

「英国ショック」の余波がどの程度続くのか?それは「リスク回避のドル高」の継続期間と一致する可能性が高い。上述した通り、目下リスク選好の土台となっているのが「ドル安」であるからだ。これまでのイエレン証言により、FED内の懸念事項は「米国外のリスク」と「ドル高」であることがわかる。よって、「英国リスク」が現実化した場合、FEDサイドは利上げに向けたポジティブ発言をしばらく封印するだろう(=むやみにドル高を誘発する発言は慎むだろう)。よって、「リスク回避のドル高」の行方は米指標データ次第となろう。来週以降より順次発表される米指標データが、「英国ショック」の余波が残るタイミングで総じて良好な内容となれば、それはむしろ米利上げリスクを再台頭させる要因になる可能性がある。「英米リスク」が同時に意識される展開となれば、さらなるクロス円の下落、株安そして商品安を背景にドル円(USD/JPY)は101.00のみならず節目の100円すら下方ブレイクし、90円台の攻防が現実味を帯びてこよう。


【欧州市場比較チャート(日足)】上段(赤:ポンドドル 青:ユーロドル)/ 下段(緑:欧州ストック600 黄:英FTSE1001

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