焦点は日銀イベントへ

Market Overview

15日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯する展開となった。FEDは予想通り利上げを見送りドル売り圧力が強まる局面も見られたが、会合後の記者会見でイエレンFRB議長が「7月も含めた利上げ」を示唆したことでドルを買い戻す動きが強まった。ドル円(USD/JPY)は105.50ブレイク後(Low:105.43)、106円台へ再上昇する展開に。一方、ユーロドル(EUR/USD)は1.12前半から1.1300手前まで上昇した後、1.1250レベルまでドルのショートカバーが進行した。

株式市場は強弱まちまちの展開となった。欧州株式は資源価格の回復が材料視され買戻し優勢の展開となった。米株も当初は欧州株高に追随する展開となったが、上記のイエレン発言後は急速に上昇幅が縮小し、終わってみれば主要3市場全てがマイナス圏で取引を終了した。
原油価格(WTI7月限)も続落したことで、米債券市場では各ゾーンの利回りに低下圧力が強まった。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは2月12日以来となる0.6660%まで低下する局面が見られた。

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Analyst's view

今回のFOMCの焦点はイエレン議長による「7月利上げシグナル」の有無だったが、この点については「時期について事前に特定することはできない。次回会合、次々回会合と特定するのは心地悪いが、可能性はある。不可能ではない」(ロイター)と述べ、指標データを精査しながら毎回の会合で行動する可能性を示唆した。明確な「7月利上げシグナル」を発信してこなかったこと、そしてFED当局者の金利見通しではメンバー17人のうち6人が年内の利上げ回数は1回にとどまると予想し、前回の1人を上回る結果となった(=見通しの下方修正)点も考えるならば、筆者が想定していた「タカ派のFOMC」とはならなかった。事実、FOMCの結果を受け米2年債利回りは上述した展開となった。だが、米金利の反応以上に筆者が重要視していたのは米株と原油価格の反応だった。その両市場はイエレン会見後、ともに売り圧力が強まった。玉虫色のFOMCとなったにもかかわらず米株と原油価格で売り圧力が強まった事実は、米利上げに対する警戒感が根強いことを示唆している。よって、今後のFEDサイドの言動と指標データ次第では「リスク回避のドル高」となる可能性がある点を警戒する必要があろう。

 

さてFOMCを通過した後、焦点となるのは黒田日銀の動向となろう。①マイナス金利が企業の設備投資に与える影響と金融機関の反応を見極めるために時間を要すること、②英国のEU離脱懸念(Brexit)を前にカードは切れないこと(=数少ないカードの温存する必要があること)、③そのBrexitが無事に通過した場合、グローバル市場の環境が急速に改善されることで円相場で円売り圧力が再び強まる可能性があることを考えるならば、今回の会合は現状維持と想定している。ただ、一部の市場参加者は追加緩和を予想しているため、現状維持となれば、外為市場のファーストリアクションは円高で反応しよう。それに伴い国内株式には売り圧力が強まろう。昨日、ドル円(USD/JPY)は105円ミドルを下方ブレイクし105.43レベルまで下落した。5日MAに上値がレジストされ続けている状況も考えるならば、105.00トライの可能性を常に警戒したい。

尚、追加緩和となった場合(サプライズ好きの黒田総裁ならばその可能性は捨てきれない)、その内容にもよるが市場のファーストリアクションは「円安・株高」となろう。ただ、マイナス金利の拡大(10bp?)にまで踏み込んだ場合、金融機関の収益圧迫懸念(利ザヤの縮小、国債保有リスクによる損失拡大、ドル調達コストの増大)が意識されることで1月会合後と同じく、「株安→円高」という展開へ転じる可能性を常に警戒しておきたい。


【ドル円日足チャート】※5日MA(青ライン) 一目/遅行線(黄ライン)

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