焦点はドル高の持続性と株式市場の動向

Analyst's view

今週の焦点は、ドル高の持続性にあろう―
その点を見極める上で各種指標データは重要な材料となるだろうが、今週それら以上に重要なのが、27日(金)に予定されているイエレンFRB議長の講演だろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で「6月利上げ」が議論されていたことが判明したことで、金融政策の方向性に敏感な米2年債利回りは一時3月FOMCの水準(0.92%)台まで急上昇している。議事録は会合の進展に合わせて作成されることから、声明文よりもイエレンFRB内のコンセンサスを反映していると言える。よって、イエレンFRB議長が、事前に市場に利上げを織り込ませると同時に株式市場や国際商品市況の反応も見極めるため、「6月利上げ」の地ならし発言をしてくるようなら、FOMCをにらんだドル高トレンドが形勢される可能性が高まろう。

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その場合、注視すべきは株式市場の動向となろう-

「6月利上げ」が意識されて以降、米2年債利回りの急上昇により米株との乖離が急速に縮小しているが、問題は同時にリスク選好の先導役である米株のラインが緩やかな右肩下がりとなっている点だろう(比較チャート①)。次に世界の株式(MSCI)とドルインデックスの動向を比較してみると、「ドル高=株安」の関係が見て取れる(比較チャート②)。また、先週の主要な株価指数の週間騰落率を確認するとブラジル(-4.02%)やロシア(-3.12%)を筆頭に新興国株式の軟調地合いが目立っていた。つまりこれらの比較チャートや新興国株式の動向は、「イエレンFRBの利上げ=リスク回避要因」として株式市場が捉えていることがわかる。よって、ドル高がさらに進行した場合、株安圧力が強まるリスクを常に警戒したい。


この点(ドル高→株安)は、円相場のトレンドを見極める上で非常に重要なポイントとなろう-

ドル高圧力がさらに強まれば、クロス円には必然的に下落圧力(=欧州通貨・資源国・新興国通貨売り圧力)が強まり易い環境となる。この圧力の相殺要因は言うまでもなく円売りだが、世界的に株式市場が崩れるならば円高圧力が加わることでクロス円の下落が鮮明ととなろう。また株安は、ドルインデックスに連動しているドル円(USD/JPY)のドル高圧力の相殺要因ともなり、上値を圧迫しよう。
一方、ユーロドルは米独金利差拡大観測を背景に日足の一目/雲の下限(1.1143)をブレイクする展開を想定したい。また、ドルインデックスの攻防分岐は、今年最高値(99.83)を起点としたレジスタンスラインとなろう。このラインの上方ブレイクは、テクニカル面でのさらなるドル高シグナルと捉えたい。


【比較チャート】赤ライン:米2年債利回り 黄ライン:米国株式(MSCI)

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【比較チャート】緑ライン:ドルインデックス 青ライン:世界株式(MSCI)

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