後退するリスク回避の圧力

Market Overview

11日の海外外為市場は、方向感に乏しい展開となった。ドル相場はドル売り優勢で推移するも、ドル円(USD/JPY)は108.00を挟んでのこう着相場となった。一方、ユーロドル(EUR/USD)も1.1447レベルまでドル安が進行する局面が見られたものの、その後はドルショートカバーの展開となり1.14台を割り込む局面があった。

欧米株式市場は強弱まちまちの展開に。イタリア銀の不良債権処理が進展するとの期待から銀行株主導で欧州株は堅調に推移した一方、米株は四半期決算シーズンを前に利益確定売りに圧され小幅に反落した。

米債券市場は、原油高と米株安に挟まれ大きな変動は見られず。ただ、利上げペースの鈍化観測を背景に2年債利回りは0.70%を下回る水準で推移し続けた。

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Analyst's view

17日の原油増産凍結協議への期待感とドル安を背景に原油価格は続伸。WTI及び北海原油は共に40ドル台を回復した。外為市場では、クロス円を中心に円安優勢の局面が見られ且つ資源国通貨が対ドルで堅調に推移する展開となった。これらの動向はリスク回避へ回帰するムードが後退していることを示唆している。ただ、米株の上値が重くなっている事実を考えるならば、2月中旬以降のようなリスク選好の回帰トレンドを形成するには、今週より本格化する米四半期決算の内容を見極める必要があろう。何故なら、現在の株高(=リスク選好)の先導役は米株が担っているからだ。下図比較チャートで確認すると、米経済の先行き不透明感の後退とイエレンFRBの利上げに対するハト派スタンスを受け、米株のパフォーマンスが世界株式のそれを上回っていることがわかる。原油価格を含め国際商品市況も再び堅調さを取り戻しつつあるタイミングで良好な米四半期決算が重なれば、米経済への不透明感がさらに払拭されることで米株は上値トライの展開となり、世界の株高を牽引しよう。そして外為市場では、対ドルで資源国通貨や新興国通貨への買い圧力が強まると同時に円相場ではクロス円を中心に円売り圧力が強まろう。これらの結果、ドル円(USD/JPY)は「ドル安 vs クロス円の上昇」という構図となり、一時的にせよ下落圧力が後退する展開が想定される(だが中長期的にはドル安/円高トレンドを形成する見通しに変更はない)。

さて、肝心の米企業決算だが、本日日本時間の早朝に先陣を切ってアルミ大手アルコアが1-3月期決算を発表した。資源価格の低迷を背景に売上高は前年同期比15%減の49億4700万ドル(約5300億円)と、市場予想の約51億3800万ドルを下回った。また、純利益も前年同期から約9割減の1600万ドルとなったことで、同社株は時間外取引で下げに転じた。今週から来週にかけては大手金融機関の決算が控えており、冴えない内容が続けばリスク選好回帰ムードに水を差す可能性があろう。

【株式パフォーマンス比較チャート】緑:米国株式 青:世界株式 赤:日本株

hikaku 20160412

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