「強すぎる米雇用統計」に要注意

Market Overview

3日の海外外為市場は、ドル売り優勢の展開となった。この日の原油価格(WTI4月限)も35ドル台へ到達する局面が見られたことで(利益確定売りもあり35ドル台を維持することは出来ず)、資源国&新興国通貨が対ドルで上昇する展開に。また、欧米株式が今晩発表される米雇用統計(2月)発表前の調整売りに圧されたことでユーロを買い戻す動きも強まった。EUR/USDは10日MA(3日時点)が推移している1.0974レベルまで急伸した。
一方、ドルストレートでのドル安はクロス円の上昇を誘発した。USD/JPYは「ドル売りvsクロス円の上昇」に挟まれ、113円後半でレンジ相場を形成し、東京時間を迎えている。

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Analyst's view

底打ち感を強める原油価格(WTI)だが、今後の焦点は2つ。ひとつは、これまで相場をレジストし続けてきた標準誤差回帰分析バンドの中心線(下図チャート赤ライン)がサポートラインへ転換するかどうか。もうひとつは、第2のネックライン38ドルレベル(第1ネックラインは26ドルラインでのダブルボトム形成の鍵を握る35ドルレベル)を完全に突破できるかどうか。この2つを達成した場合は、50ドルレベルまでの反発余地が想定され、それに伴いグローバル株式市場でもリスク選好への回帰ムードがさらに強まろう。これら両市場の動きに呼応し、外為市場では資源国&新興国通貨の買い戻し基調が継続しよう。また、ドル相場は対ユーロで堅調に推移し、常に1.08割れを意識する展開となろう。逆に38ドルの突破に失敗した場合、それは下落基調にある標準誤差回帰分析バンド継続を意味する。最大で26-40ドルのレンジ相場を想定し、原油価格の動向によって外為市場のトレンドも左右されよう。

年明け以降、もうひとつの外為市場のトレンド決定要因となっているのが米景気動向である。それを見極める上で本日は雇用統計(2月)にマーケットの耳目が集中しよう。

「強い雇用統計」は素直にリスク選好継続要因となる可能性が高い。外為市場では「米株反発基調継続 / 金利上昇」を背景に「ドル高 / 円&ユーロ安」を想定したい。テクニカル面の焦点は下記「Technical analysis highlights」を参照されたし。一方、ドル対資源国&新興国通貨のトレンドは原油価格の動向に左右されるだろうが、「強い雇用統計」は国際商品市況において米利上げリスク(=ドル高リスク)を意識させる要因となることから「原油価格反落→ドル高優勢」の展開を想定したい。
「弱い雇用統計」となった場合は、米金利低下要因となることから素直にドル安地合いを想定したい。尚、筆者が最も注視しているのが「強すぎる雇用統計」となった場合の米株の反応だ。素直に株高で反応するならば、外為市場は「強い雇用統計」と同じトレンドを形成することが想定される。しかし、利上げリスクを背景に株安で反応した場合は、クロス円での円高圧力がUSD/JPYのドル高圧力を相殺する展開となろう。最悪のシナリオは「株安+原油価格急落」の展開だろう。この場合、来週以降、レンジの下限である111.00が再び視野に入る可能性が高まろう。

【WTI日足チャート】標準誤差回帰分析バンド

原油チャート

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