リスク選好継続なるか?次の焦点は米雇用統計

Market Overview

3月1日の海外外為市場は、資源国&新興国通貨買いの展開となった。この日の原油価格(WTI)は、供給過剰懸念の後退を背景に1月28日以来となる高値水準まで反発。国際商品市況全体(CRB指数)も上昇基調を維持し世界的な株高の一因となったことで、外為市場では資源国&新興国通貨が対ドルで堅調に推移した。特にロシアルーブルやブラジルレアルは2%以上上昇する展開となった。

一方、リスク選好の状況下で売り圧力が強まったのが円とユーロだった。EUR/USDは2月1日以来となる1.08ミドル割れの展開に(安値1.0834)。USD/JPYは米金利の上昇も合わさりNYタイムに114円台へ再上昇する局面が見られた。また、EUR/JPYの上昇は(124円台の回復は)、この日の主要3通貨(円・ドル・ユーロ)における最弱通貨が円であることを示している。

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Analyst's view

原油価格(WTI)は目先のレジスタンスポイントである35ドルレベルをトライするムードが強まっている。ここを突破すれば35ドル以上に重要なレジスタンスポイント38ドルを視野に反発する可能性が高まろう。現在の反発を誘発しているのは、産油国間における協調生産調整への期待だ。ただ、大幅な減産合意に無しにこのまま上昇基調を維持することは難しいだろう。目先は、26ドル-38ドルのレンジ相場へシフトする可能性を意識し、「原油価格反発→株式堅調→ドル買い / 円&ユーロ売り」、「原油価格下落→株式軟調→ドル売り / 円&ユーロ買い」の展開を想定したい。

一方、もうひとつの市場トレンドの決定要因である米国経済動向だが、直近の米指標データは強弱まちまちの状況となっている。昨日発表された2月のISM製造業景気指数は49.5と、昨年9月以来の高水準となった。構成項目の雇用指数は45.9(前月48.2)、生産指数は52.8(50.2)といずれも上昇。次の焦点は4日の2月雇用統計となるだろうが、市場予想の範囲内ならば現在のリスク選好回帰ムードに水を差す可能性は低いだろう。一方、強すぎる内容となった場合はその可能性を意識したい。下図比較チャートを確認すると、年初来以降、米株と金利のパフォーマンスには依然として乖離が見られる。株式市場のパフォーマンスが米金利のそれを上回り続けている背景にあるのは、米利上げペース減速への期待だろう。3月中旬に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されることを考えるならば、強すぎる雇用統計はその期待を削ぐ可能性が十分に考えられる。

「強すぎる雇用統計→米株下落」となった場合、外為市場では円&ユーロを買い戻す動きが加速しよう。ただ、リスク回避の度合いは原油価格の動向も大きく影響する。「米株下落+原油価格下落」ならば、リスク回避ムード一色となることでUSD/JPYは4日NYタイムから来週以降にかけ、再び111.00レベルを視野に入れる展開が想定される。EUR/USDは200日MAの突破が焦点となろう。逆に「米株下落+原油価格反発」ならば、円&ユーロの上昇幅は限定的になると想定している。

【WTI日足チャート】

原油チャート

【比較チャート】青ライン:米国株式(MSCI) 赤ライン:10年債利回り  緑ライン:2年債利回り

米株 米金利チャート

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