中国市場の反応は?

Market Overview

2月29日の海外外為市場は、ユーロ売り優勢の展開となった。この日発表されたユーロ圏の消費者物価指数(2月速報値)は前年同月比で0.2%低下。物価が下落に転じるのは2015年9月以来。今月のECB理事会でドラギ総裁が緩和強化の決断を後押しする材料になるとの思惑からユーロは下落。対ドルでは1ヵ月ぶりに1.08ミドルレベルまでユーロ安が進行すれば、対円では先月24日以来となる122.45レベルまで下落した。

ユーロ安が進行する一方、円相場は総じて円高優勢の展開となった。中国人民銀行による預金準備率0.5%の引き下げは欧州株式市場のサポート要因となったが、冴えない米指標データを背景に米株が下落したことで、リスク回避の円買い圧力が強まる展開となった。EUR/JPYは上記の通り。オセアニア通貨も総じて軟調地合いで推移した。USD/JPYは日足の一目/転換線をトライする展開となった(安値112.62)。オセアニア時間には仕掛け的な円買いも見られUSD/JPYは112円、EUR/JPYは122円割れを視野に入れる展開となりつつ本日の東京時間を迎えている。

中国

Analyst's view

中国人民銀行(PBOC)は29日、預金準備率(=市中銀行から強制的に預かる資金の比率)を0.5%引き下げることを決定した。2015年以降、預金準備率を引き下げるのはこれで5回目となるが、中国国内が「供給>需要」の状態である以上、各市場をリスク選好へ回帰させるほどのインパクトはないだろう。実際、昨日の原油価格(WTI)は上昇したものの35ドルレベル手前で上値の重い状況が継続し、米株に至っては続落する展開となった。

PBOCによる継続的な追加緩和は、むしろリスク回避ムードを強める要因ともなりかねない。何故なら人民元安圧力がさらに強まることで、同国からの資本流出懸念が世界のマーケットで意識される可能性があるからだ。下図比較チャートでは、2015年12月まで同じ軌跡を描いていたオンショアのUSD/CNYとオフショア市場のUSD/CNHとの乖離が今年に入り急拡大しいてることがわかる。中国の外貨準備の急速な減少も考えるならば、この乖離は明らかにPBOCによる人民元買い介入によるものだろう。つまり、一国の中央銀行がだ多額の資金を投入して市場に介入しなければならいほど、「自国通貨安圧力&資本流出懸念」が強く意識されるているとうことであり、このタイミングでの継続的な緩和強化は上記の通りリスク回避圧力を再び強める要因ともなり得る。まずは本日の人民元と上海株式の反応が注目されるが「通貨安&株式下落」の展開となれば、外為市場では円高圧力がさらに強まろう。USD/JPYは111円台の攻防シフトを想定したい。一方、中国リスクを背景に原油価格も反落することが想定されることから、資源国通貨も軟調地合いが想定される。

【比較チャート】青ライン:USD/CNY(オンショア) 赤ライン:USD/CNH(オフショア)

人民元チャート

【中国外貨準備チャート】

中国外貨準備

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