リスクセンチメントの行方は原油価格次第

Market Overview

12日の欧米株式市場は大幅に反発し、外為市場ではリスク回避の円買い圧力が後退した。今週は、この流れを引き継げることができるかどうか、この点が焦点となろう。

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Analyst's view

日本の10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値、上海株式市場の再開、ドラギECB総裁の講演等今週は材料に事欠かないが、リスク回避圧力の後退材料として最も注視すべきは国際商品市況の動向となろう。下図の比較チャート①はグローバル株式市(MSCI)と国際商品市況(CRB指数)の動向を比較したものだが、昨年10月中旬以降再び広がった乖離が収斂されて以降は(=国際商品市況の低迷に株式市場が下落することで乖離が収斂されて以降は)、両市場における正の相関性が高まっている。後者の点については特に年初来以降、その傾向が顕著となっている。(比較チャート②)。これらチャートが示唆するところは、グローバル株式におけるトレンドの決定要因が国際商品市況にあるという事実だ。

その国際商品市況が原油価格の動向に左右されやすい状況となっている点を考えるならば、より注視すべきは産油国間同士における減産合意に向けた進展情報だろう。先月12日にナイジェリアのカチク石油資源相が「3月までのOPEC臨時総会開催」の可能性に言及して以降、今月初旬にはロシアサイドからも「2月中の臨時協議」ついての情報リークがあり、先週後半にはアラブ首長国連邦(UAE)のスハイル・エネルギー相による「協調減産」発言が報道された(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)。これら一連の言動は、産油国が遅くとも3月までに臨時のOPEC総会を開催すること、そしてその場で協調減産の合意を目指す可能性が高まっているということを示唆している。よって、これらの点に関する進展報道があれば、今週の原油価格は反発基調を維持しよう。それに伴いグローバル株式市場も底入れ感を強め、外為市場では円高圧力が一時的に後退しよう。逆に水面下でのつばぜり合いが続くイラン対サウジアラビアの対立を背景に進展する兆しが見えなければ「原油価格の不安定化継続→グローバル株式市場の不安定継続」を背景に、外為市場ではドル安/円&ユーロ高トレンドが継続しよう。

他のリスク要因として注視すべきは、上記の国内GDPと上海株式市場の動向だろう。前者の結果が市場予想(前期比:-0.2%/年率換算:-0.8%)を下回れば日銀によるマイナス金利幅の拡大が市場で惹起されよう。その場合、「金融機関の収益圧迫→貸し渋り→設備投資縮小→景気悪化」懸念が意識され、国内株式に下落圧力が増大するのに伴い円高圧力も再び強まろう。

一方、後者が中国の景気減速懸念と世界的な株安を背景に軟調地合いとなった場合は、リスク回避圧力を強める要因となろう。一足早く春節明けとなった11日の香港ハンセン指数は昨年8月以来の大幅安となり、12日も続落する展開となった点を考えるならば、上海株式が軟調地合いで推移する可能性は十分に考えられる。中国株安リスクを相殺する要因は、目下のところ上記の産油国間における減産合意しかない点を考えるならば、やはり今週最大の焦点は原油価格の動向ということになろう。

【比較チャート①】青:グローバル株式(MSCI) 赤:国際商品市況(CRB指数)期間:2015年10月~

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【比較チャート②:パフォーマンス比較】青:グローバル株式(MSCI) 赤:国際商品市況(CRB指数)期間:年初来~

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