原油相場との相関性強まる米国株式

Market Overview

19日の欧州株式は、中国当局による景気刺激策への期待感とそれを受けた堅調なアジア株式の動向を背景に総じて底堅い展開となった。しかし、米国株式は小反発するもほぼ横ばい状態。上値抑制の要因は原油安だった。NY原油先物相場(WTI)は一時28.23ドルと2003年9月以来、12年4カ月ぶりの安値を付ける局面が見られた。ダウ平均及びS&P500種株価指数のエネルギーセクターはマイナス2.0%前後下落し、米国株式の圧迫要因となった。

外為市場は欧米株式動向にトレンドが左右される展開に。欧州タイムはリスク選好を背景に円&ユーロ売り優勢の展開となるも、米国株式が失速すると、一転して円&ユーロ買いの展開に。また、欧州タイム後半以降は、ポンドが急落した。カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁が利上げを急がないとのスタンスをあらためて表明したことが材料視された。NY市場ではリスク回避圧力も合わさり、対円で169円台から166.34までポンド安が進行。対ユーロでは1年ぶりに0.77台のレベルを突破する展開となった。

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Analyst's view

3連休明けの米国株式市場は横ばい状態。アジア&欧州株式が総じて堅調に推移し、且つ米企業四半期決算ではモルガンスタンレー及びバンクオブアメリカの収益改善にもかかわらず、米国株式が取引終盤にかけて失速した背景にあるのは、止まらない原油安だった。NY原油先物市場は上記の通り、12年4カ月ぶりの安値水準まで低下したことでダウ平均のエネルギーセクターは前営業日比で-1.87%、S&P500種株価指数のそれは同-2.16%と上値抑制の要因となった。

筆者は先週から、リスク選好回帰の鍵は良好な米企業の四半期決算とそれを受けた米国株式の上昇にあると指摘しきた。しかし、14日以降の米国株式と原油相場との強い相関性が、米四半期決算以上に強まっている現状を考えるならば、原油相場が安定化しない限り米国株式が安定化する可能性は低い。これはリスク選好の先導役不在を意味する。よって、年初からの不安定なマーケット状況は今後も続く懸念が台頭している。
その原油相場については、既述の通り今年3月に開催予定の石油輸出国機構(OPEC)の総会で大幅な減産合意に至るまで、現在の下落傾向が続く可能性が高いと想定している。反発材料として注視すべきはロシア(世界第2位の原油産出国)による中東への軍事介入の強化だろう。だが、米国(世界第3位の原油産出国)及びイラン(世界第7位の原油産出国)産の原油が今後市場に流入することを考えるならば、ロシアの中東介入強化により原油価格が反発しても、それは一過性で終わろう。

外為市場では、引き続き円高リスクに警戒したい。また、ユーロ相場も堅調に推移する可能性が高いだろう。事実、USD/JPYは目先の上限と想定される118.30レベルで上値の重い展開が続き、ユーロ相場は対ポンドで1年ぶり、そして対カナダドル及び豪ドルでは2009年後半以来となる高値水準への攻防へシフトしている。

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