米国株式と原油価格の相関性に要注意

Market Overview

14日の海外株式市場は、強弱まちまちの展開となった。欧州株式はアジア株式の軟調地合いを背景に上値の重い展開に。一方、米国株式は反発。市場予想を上回った米金融手JPモルガン・チェースの好決算や原油先物価格の下げ止まりが好感された。米株反発を背景に中南米の新興国株式も堅調に推移した。

NY外為市場は、対円&ユーロでドル買い優勢の展開となった。「米株高+原油価格反発継続」を背景に各ゾーンの米金利が反発したことで(2年債利回りは横ばい圏)、USD/JPYは117円台を維持すると118.30手前まで上昇。一方、EUR/USDは1.0950手前でレジストされると1.0835レベルまでドル高が進行した。また、国際商品市況の反発は資源国通貨買い圧力も強め、爆破テロのあったインドネシアルピアや同じ東南アジア諸国のマレーシアリンギット以外は対ドルで堅調に推移した。ドルや資源国通貨とは対照的に円とユーロには売り圧力が強まった。

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Analyst's view

14日のグローバル株式市場は、アジア&欧州株式とは対照的に米国株式が大幅に反発。その結果、NY外為市場ではリスク選好トレンド(ドル&資源国通貨買い・円&ユーロ売り)の展開となった。その米国株式のトレンドを左右するのが米企業の四半期決算である点は指摘済み。JPモルガン・チェースの好調な企業決算を背景に金融セクター全体が堅調に推移し(ダウ平均:同+1.2%・S&P500:同+1.12%)、昨日の米国株式のサポート要因となった。

ただ、注視すべき点がある。それは、昨日の米株(ダウ平均・S&P500株価指数)の大幅反発を牽引したのがエネルギーセクターだったことだろう(ダウ平均:前日比+4.75%・S&P500:同+4.48%)。昨日の動向だけでは判断できないが、今後も良好な四半期決算以上に原油価格がけん引役となるなら、後者(原油価格)の動向次第でリスク選好の先導役が不在となる可能性がある。

理由は、今度さらに原油価格に対して下落圧力が強まる可能性があるからだ。その圧力を強める最大の要因は、原油生産量で世界7位のイラン(1日あたりの原油の生産量:355.8万バレル)を取り巻く情勢だろう。イランのロウハニ大統領は11日、同国の核開発問題を巡る最終合意に基づき、経済制裁が解除される時期について、「数日中」になるとの見通しを示した。一方、米国サイドからも国務省のカービー報道官が同日、「最終合意が履行されるとみている」と述べた。これら両国の言動からイランの制裁解除は既に決定事項であり、それは過剰供給懸念が意識され且つ米国議会が40年来の原油輸出禁止措置の解除に合意したタイミングで、同国産原油までが市場に出回ることを意味する。

目下、この過剰供給懸念を後退させる最も効果的な対策は、OPEC(石油輸出国機構)の大幅な減産だろう。次のOPEC総会は3月に開催予定となっている。しかし、サウジアラビアとイランの緊張状態を考えるならば、大幅な減産で足並みが揃うかどうかは微妙な情勢。以上の要因を考えるならば、上記の通り原油価格には今後も下落圧力がかかる可能性が高い。そして今後、良好な四半期決算と原油価格下落が同時に発生し米国株式が後者の方に強く反応する状況が続く場合、リスク選好の先導役不在により、外為市場では円やユーロが選好され易い状況が続くだろう。

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