リスク回避緩和の鍵は米国株式市場に

Market Overview

11日の欧米株式市場は、強弱まちまちの展開となった。欧州株式はリスク回避の流れを引き継ぎ、総じて下落。欧州株式の指標であるストックス欧州600指数は、昨年9月以来となる水準まで下落する展開となった。
一方、米国株式は、値ごろ感を背景に買い優勢となり小反発。株高に米金利も追随したことで、NY外為市場はドル高優勢の展開となった。EUR/USDは1.09ミドルがレジスタンスポイントとして明確化する一方、今週に入り一時116円台まで値を下げたUSD/JPYは117.80レベルまで反発した。対照的に資源国通貨は対ドルで軟調地合いとなった。この日のNY原油先物(WTI)2月物(期近物)が一時30.88ドルと2003年12月上旬以来、約12年ぶりの安値を付けたことで、資源国通貨売り圧力が強まった。

米国株式

Analyst's view

今週も中国情勢がメインテーマとなろう。比較チャート①を確認すると、昨年10月中旬以降乖離が広がっていたグローバル株式(MSCI)と国際商品市況(CRB指数)の乖離が、株式の下落により収斂されていることがわかる。これら下落の牽引役が中国情勢にある点を考えるならば、リスク回避緩和の鍵のひとつは中国市場の動向にあろう。
その中国市場は当局の政策能力次第でトレンドが左右され続けるだろうが、昨年夏からの場当たり的な対応を考えると不透明感は拭えない。事実、当局が講じる株価防止策もむなしく、週明けの上海総合指数は5%超下落した。同日の人民元はオンショア(CNY)、オフショア(CNH)は共に対ドルで堅調に推移したが、株安継続に加え週末の冴えない指標データも考えるならば、週明けの人民元高は「人為的な相場」との違和感が拭えない。事実、昨年12月の外貨準備高が3.33兆ドルへ縮小している点を考えるならば(同年10月:3.53兆ドル / 11月:3.44兆ドルと縮小傾向にあり)、当局が継続的な為替介入(人為的手段)を通して、過度の人民元安を抑制していることが窺える。

中国当局の政策能力に期待が持てない以上、もうひとつのリスク回避緩和の材料として注視すべきは、米国株式の動向だろう。上述の通り、昨日の米国株式は、世界的な株安トレンドの中でも小反発した。今週より米企業の四半期決算が本格化してくるが、総じて好調な内容が続けば中国リスクの緩和材料となり、その結果リスク回避ムードも後退する可能性があろう。
ただ、比較チャート②を見ると、イエレンFRBによる利上げ後、ドルインデックスと米国株式の乖離が収斂する局面が見られたのもの、中国リスクが意識されて以降は再び米国株式とドルインデックスのパフォーマンスの乖離が拡大傾向にある。「ドル高=株安」要因のトレンドが垣間見れる中、ドル高の影響が米企業決算にまで及んでいるとなれば、リスク選好回帰の先導役が不在となる可能性があろう。

【比較チャート①】青ライン:グローバル株式(MSCI)/ 赤ライン:国際商品市況(CRB指数)

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【比較チャート②】緑ライン:ドルインデックス / 白ライン:米国株式(MSCI)

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