国際商品市況の低迷止まらず

Market Overview

17日の欧米株式市場は対照的な値動きとなった。欧州株式市場は終始堅調に推移。一方、米国株式市場は、NY原油先物(WTI)が過剰供給懸念を背景に再び34ドル台へ反落したことが嫌気され、主要3市場は前日比1%超下落する展開に。ダウ、S&P500下落の牽引役はともにエネルギーセクター(ダウ:前日比-2.06% / S&P500:同-2.49%)だった。

欧米株式に連動するように、この日の円相場は「欧州タイム=円安優勢」、「NYタイム=円高優勢」の展開となった。一方、ドル相場は米利上げを受けたドル高基調が継続。もっとも米国株式の下落は米金利の低下圧力を強めたことで、NYタイム後半では対ユーロ&円でドル売り優勢へと転じた。USD/JPYは122円ミドル前後まで、EUR/USDは安値1.0802から1.0840レベルまでドルロングの調整が進み、本日の東京時間を迎えている。

尚、昨日アルゼンチンのマクリ新大統領は選挙公約に掲げていた通貨規制の撤廃を実施した。これに伴いアルゼンチンペソは対ドルで約30%下落する展開に。しかしブラジルレアル、チリペソそしてコロンビアペソにヒステリックな反応が見られない事実を鑑みるに、この影響が南米通貨全般売りそして新興国通貨売りに発展するムードは感じられない。

比較チャート

Fundamentals Analysis Highlights

イエレンFRBの時間をかけた「説得」が奏功し、米利上げ後のグローバル株式市場に大きな混乱は見られない。しかし、株式のパフォーマンス(MSCI)と国際商品市況(CRB指数)のそれとの乖離は解消されるどころか、再び拡大するという歪な状況となっている(チャート画像参照-緑:ドルインデックス 青:グローバル株式=MSCI 赤:国際商品市況=CRB指数)。
昨日の米国株式下落の牽引役がエネルギーセクターであった点を考えるならば、低空飛行状態の国際商品市況がリスクオフの震源地としてくすぶり続けよう。

また、ドルインデックスとCRB指数との乖離が再び拡大傾向にある点も考えるならば、このままドル高が進行しても、国際商品市況の圧迫要因となり、結局はグローバル株式のパフォーマンス低下につながる可能性が高いだろう。12月後半はドルロング調整地合いへ転じる可能性を常に意識しておきたい。

Today’s Outlook

本日は日銀金融政策決定会合が開催されるが、今回も現行の政策に大きな変更はないだろう。よって、焦点は黒田総裁の会見(15時30分~)となろう。①米利上げが与えるグローバル市場への影響、②中国経済の見通し、③原油安の影響による将来のインフレ動向に関する見解が注目される。①について言及する場合ポジティブな見解を示すだろう。問題は②及び③についての見解だが、中長期スパンでの国内景気下振れリスクとして認識していることが判明した場合、来年1月の会合、つまり補正予算の成立と展望リポートの中間評価というタイミングに合わせて追加緩和を敢行する可能性を市場は意識しよう。ただ、その思惑だけで円相場が大きく円安へ振れる可能性は低いだろう。上記の国際商品市況がグローバル株式の重石となる可能性があるからだ。USD/JPYは123円手前、EUR/JPYは133円台へ再上昇できるかが焦点となろう。

海外時間の外為市場は、国際商品市況とそれを受けた株式動向にトレンドが左右されよう。原油相場が続落し、それに伴いCRB指数が更なる下値トライとなれば、欧米株式市場ではエネルギーセクターを中心に売り圧力が強まろう。「商品安→株安」の展開は、米債券市場でのポジション調整(債券買い / 利回り低下)を促すことで、外為市場では投機筋を中心にドルロング/ ユーロ&円ショートを調整する動きが強まる展開が想定される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.50:レンジの上限、オファー 122.95:リトレースメント76.40%
サポート 122.00:ビッド 121.38:一目/雲の上限

120.00-123.50のレンジは変わらず。レンジの上限を目指す展開となった場合、上値の焦点は昨日同様リトレースメント76.40%の122.95。すぐ上の123.00にはオファーが観測されている。また、123.50にもオファーの観測あり。
一方、下値は目先、122円台の維持が焦点だが、「商品安→株安」となれば日足の一目/雲がターゲットとなろう。122.00、121.50及び121.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

       

レジスタンス 1.1085:一目/雲の上限 1.0979:一目/雲の下限
サポート1.0900:サポートポイント 1.0800:サポートポイント 1.0788:21日MA

下値は1.08台の維持が焦点。昨日は1.0802レベルでかろうじて反発した。このサポートポイントを下方ブレイクした場合、21日MA(緑ライン)の維持が次の焦点として浮上しよう。1.0750にはビッドの観測あり。
一方、日足の一目/雲の攻防となった場合、ローソク足の実体ベースで1.10レベルを維持できるかが注目される。1.1060から1.1080にかけてはオファー優勢となっている。

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