リスクシナリオは米利上げ見送り

Market Overview

15日の欧米株式市場は、原油相場の続伸を好感し総じて堅調に推移。新興国株式市場も同様の展開となった。堅調なグローバル株式市場を背景に米金利への上昇圧力が強まったことで(=米2年債利回りは0.99%トライの状況が継続したことで)、外為市場ではドルを買い戻す動きが優勢となった。EUR/USDは1.0904レベルまでドル高が進行。一方、USD/JPYは121.80レベルまで反発した。
クロス円は株高とドル買いに挟まれ強弱まちまちの展開となった。興味深いのはEUR/JPYの動向だった。NYタイム以降、株高よりもEUR/USDに連動し終始上値の重い状況が継続。米欧のみならず日欧金融政策のコントラストも意識されていることをうかがわせる展開となった。また、テクニカル面でも8月21日高値(139.00)を起点としたレジスタンスライン及び日足の一目/雲の下限に上値がレジストされる状況も継続。攻防分岐である132.10前後(一目/基準線が推移する水準)を維持できるかが目先の焦点となろう。

イエレンFRB議長

Fundamentals Analysis Highlights

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)でイエレンFRBが利上げに踏み切っても、外為市場ではドルロングの調整地合いへとシフトすると、筆者は想定している。①市場テーマのシフト(米金融政策→国際商品市況の低迷=中国リスク)、②米債券市場でのポジション調整がその理由であることは既述の通り。

リスクシナリオは、イエレンFRBが年内利上げを反故にした場合だろう。一見すると、利上げ見送りは低迷する国際商品市況や不安定なグローバル株式市場にとってポジティブ要因として作用するように思える。しかし、年内利上げ見送りの決断は、リスクオフトレンドを加速させる可能性があろう。あれ程年内の利上げシグナルを発信して続けてきたイエレンFRBが土壇場になってそれを見送れば、米国経済の先行き懸念を強めるからだ。これは、現在のグローバル市場においてリスク選好の先導役が不在になることを意味する。事実、利上げ観測が高まっていた9月のFOMCでそれを見送った後、リスク選好の先導役不在(=米国経済の先行き懸念)を背景にリスクオフムードが強まった経緯がある。
可能性は低いが、このリスクシナリオが現実化した場合、外為市場ではやはりドル売りが加速しよう。中国のみならず米国経済への先行き懸念まで台頭すれば商品市況はさらに低迷し、それに連動し株式市場で売り圧力が強まり、「質への逃避」から米国債券へ資金シフトが加速する(=米国金利が上昇基調から低下基調へ転じる)というプロセスを経て。

Today’s Outlook

15日のグローバル株式市場の反発を受け、本日の国内株式は買戻し優勢の展開が想定される。よって、東京外為市場の円相場は、USD/JPYが円安の牽引役となる可能性が高いだろう。しかし、米FOMCが控えていることを考えるならば、上昇幅は限定的となる可能性が高いだろう。
一方、米FOMC後の展開は上記の通り。リスクシナリオが現実となった場合は、円やユーロの買戻し圧力が相当強まる展開が想定される。チャートポイントについては下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.50:重要レジスタンスポイント 122.00:一目/基準線
サポート 120.00:リトレースメント50.00% 118.00:重要サポートポイント

11月中旬以降、相場をサポートし続けてきた122.00をあっさりと下方ブレイク。次の攻防分岐は121.00前後。121.10-121.00にはビッドが並んでいる。また、リトレースメント50.00%(10月からの高安)が120.90レベルにある。
ドル円の攻防分岐は120.00だろう。リトレースメント50.00%(8月~12月高安)が推移し且つビッドも観測されているこの水準を下方ブレイクした場合は、9月以降重要サポートポイントとして意識されて続けている118円が再び焦点として浮上しよう。
一方、日足の一目/基準線(赤ライン)が推移している122.00レベルでの攻防が焦点となろう。このレベルにはオファーが観測されている。このレジスタンスポイントを突破しても、上限である123.50の突破は難しいだろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1118:リトレースメント50.00% 1.1100:一目/雲の上限
サポート1.0900:サポートポイント 1.0796:12/7安値

1.10を挟んでのレンジ相場が継続中。焦点は引き続き日足の一目/雲での攻防となろう。雲を突破した場合、リトレースメント50.00%(8月-12月の高安)1.1118レベルが次のターゲットとして浮上しよう。1.11にはオファーが観測されている。
一方、下値は目先、1.09台の維持が焦点となろう。1.0900にはビッドの観測あり。このレベルを下方ブレイクした場合は、12月7日安値1.0796レベルが次のターゲットとして浮上しよう。すぐ下の水準には一目/基準線(赤ライン)も推移している。

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