目先はドルロング調整地合いを警戒

Market Overview

18日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月27-28日開催分)で、大半のメンバーが「12月利上げ」を支持していたことが判明。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは、9日以来となる0.90%台へ上昇する局面が見られた。焦点は米国株式の動向だったが、前日比1.5%前後の上昇と意外な底堅さを見せたことで、NYタイムの円相場は円安優勢の展開に。USD/JPYは重要テクニカルポイントの76.40%戻し(=123.59レベル)を突破する局面が見られた(高値123.76)。クロス円ではGBP/JPYの堅調さが目立った(8月25日以来となる188.25レベルまで上昇)。ブロードベント英中銀(BOE)副総裁の講演内容(=利上げ時期に関しては英中銀のインフレ見通しだけでなく成長を促す幅広い要因にも目を配るべきとの指摘)がポンド買いを誘発したとの声があった。

一方、資源国通貨は対ドル・ユーロ・円で堅調に推移。NY原油先物(12月限)は1バレル=40ドルを一時割り込んだものの、その後は米株高が好感され買戻し優勢の展開となり、前日比0.20%高の40.75まで反発。「株高+原油反発」が資源国通貨をサポートした。EUR/USDもドルロング調整地合いを背景にユーロ買い優勢で推移したまま、本日の東京時間を迎えている。

チャート

Fundamentals Analysis Highlights

FOMC議事要旨では、「12月利上げ」がイエレンFRBのコンセンサスとして固まっていることが確認された。今夏のように市場のボラティリティが急変動しない限り、イエレンFRBは利上げを敢行する可能性が高いだろう。
興味深いのは、議事要旨発表後のドル相場の動向だった。USD/JPY以外総じてドル売り優勢の展開に。ドルインデックスは市場の気迷いを示唆する影のコマが示現。昨日の値動きは、10月下旬以降から続くイエレンFRBサイドからの地ならし発言及び良好な雇用統計(10月分)を理由に、相当程度「12月利上げ」が市場で織り込まれている可能性を示唆している。

ただ、株式市場が大きく崩れる(=円&ユーロ買い要因)か、商品市況が反発基調へ転じない限り(=資源国通貨買い要因)、ドル売り圧力が強まってもそれがトレンド化することはなく、調整の範囲内で終わろう。

Today’s Outlook

本日の外為市場は、ドルロングの調整地合いが継続するか、この点が焦点となろう。注目したいのは、株式市場が堅調さを維持した場合の商品市況と資源国通貨の動向だろう。昨日は米株高を背景にNY原油先物は一時40ドルを割り込むも反発(終値40.75)。北海ブレントも前日比1.31%高となった(終値44.14)。CRB指数もひとまず下げ止りの兆しが出てきたことで、資源国通貨は対主要国通貨で堅調に推移。中国の新たな政策期待や欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測がグローバル株式市場のサポート要因となり続ければ、商品市況のさらなる反発を誘発し、結果外為市場では資源国通貨が対ドルでさらに反発する可能性がある。その影響が他の通貨ペアに波及すれば、ドルロング調整地合いが加速するだろう(USD/JPYだけは株高を背景に上値トライが想定される)。

ただ、対ユーロでのドルロング調整は限定的となろう。直近の株高傾向にもかかわらず、ECBの緩和強化観測を背景に独金利の低下が止まらないためだ(昨日独2年債利回りは過去最低水準に並ぶ局面が見られた)。EUR/USDの反発には米独金利差が縮小することが条件だが、現在の株高局面では米金利への上昇圧力だけが強まりやすい環境にある。つまり「株高=米独金利拡大要因」であることから、ポジション調整を背景としたユーロ買い・ドル売りとなっても、以下「Technical analysis highlights」で指摘しているレジスタンスポイントの反発までが限界と想定したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:厚いオファー 123.76:11/18高値
サポート 122.92:10日MA(青ライン) 122.50:サポートライン

昨日、攻防分岐のリトレースメント76.40%を一時的にせよ突破。本日の焦点は、124.00トライとなろう。123.80レベルにはオファーの観測あり。124.00には厚いオファー及びオプションバリアが観測されている。
一方、下値は10日MA及びサポートラインの維持が焦点となろう。122.80-75にはビッド、122.50には厚いビッドがそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.0830:11/12高値 1.0720:10日MA(青ライン)
サポート 1.0600:ビッド 1.0520:4/13安値

RSIの動向を鑑みるに、1.06割れの前にショートカバーを想定したい。ただ、その様な展開となっても反発余地は10日MA(日足の一目/転換線も並行)もしくは1.08前半までと想定。1.0700-30及び1.0780-1.0800はオファー優勢となっている。
一方、下値の焦点は1.0600での攻防となろう。1.0615-1.0600はビッド優勢となっている。1.0600下及び1.0590下にはストップが観測されている。

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